中国共産党中央委員会と国務院はこのほど「党と国家の機構改革案」を通達した。その中で大いに注目されるのが「中央国家機関の定員の削減」だ。国務院機構改革で定員削減が指示されるのは25年ぶりとなる。
過去数回の機構改革における削減幅と比べると、今回の改革で示された「中央国家機関各部門の定員を一律5%の割合で削減する」との指示は適度なものであり、漸進的で秩序良く、積極的かつ穏当に進めるアプローチを体現している。実は定員削減は必ずしも人員削減ではなく、ましてや絶対数の減少でもない。これについて、すでに改革案は「中央国家機関各部門の定員を一律5%の割合で削減する。減らした分の定員は主に重点分野と重要活動の強化に充てる」と明確に説明している。このことから、今回の中央国家機関改革における定員削減がまず意味するものが、構造的最適化であることが分かる。
今回の中央国家機関改革は定員数の調整、政府職能の転換に着眼し、科学技術、金融監督・管理、データ管理、農村振興など重点分野の機構調整と職責の最適化を重点的に強化するものであり、単なる人員削減ではなく、ましてや一斉削減ではなく、重点分野・活動においてマンパワーを確保するためのものである。例えば、2つの事業機関を国務院直属機構に変更し、科学技術部(省)が担っていた科学技術による農業・農村発展促進に関する計画・政策の策定、農村における科学技術の進歩の指導、科学技術による社会発展促進に関する計画・政策の策定などの職責が、農業農村発展部、国家発展改革委員会、生態環境部、国家衛生健康委員会に移された他、国家金融監督管理総局や国家データ局も新設された。これらはいずれも、定員の総数を増やさずに、不足度に応じて定員数を調節して行った構造的最適化だ。
定員削減は改革の今後の方向性を示している。今回の中央国家機関機構改革は構造的最適化という意味をはっきりと示すと同時に、党と国家が人員の精鋭化と機構の簡素化によって政府の運営効力を高めることも意味している。政府機構改革の重要な出発点は常に機構設置と職能配置の最適化によって、運営効率を高め、機構肥大、人員過多、業務散漫、戦力低下などの積弊を解決することにある。定員数の面で「減法」を行う今回の中央国家機構改革にも、こうした意味がある。その重要な目的の1つが人員の精鋭化と機構の簡素化によって、精鋭で専門性を備え、責務を担い成果を挙げ、団結力と戦力の高い人員集団を形成し、ひいてはマーケットエンティティのために規制を緩和し、負担を削減し、サービス型政府の構築推進を加速することにある。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年3月17日