2023年の全国両会(全国人民代表大会・中国人民政治協商会議全国委員会)で、中国の政協は30年ぶりに新たな分野として「環境資源分野」を設けた。新設された環境資源分野の委員らは9日の取材に対し、「新たな分野は、環境資源関連の議題を協議するための場となる。人と自然の調和ある共生のより良い実現をめぐり提言が行われ、世界に中国の案を示すこと期待している」とした。中国新聞社が伝えた。
今年全人代に上程される立法法改正案では、地方立法権行使に関する事項において、「環境保護」が「生態文明建設」に変更された。全国政協委員を務める中国地質大学(武漢)の童金南教授は、この変更を非常に新しいものだと感じたという。5年前に中国が環境保護部(省)を廃止し、生態環境部(省)を新設したことを踏まえ、童教授は「これは国が生態環境建設を一層重視し、受動的な保護から主導的な建設へと転換し、生態環境ガバナンスを新たな高みへと引き上げたことを意味する」と指摘する。
中国の生態環境ガバナンスの成果は全世界が目の当たりにしている。大気汚染対策を例にとると、2012年から2022年までの10年間に、中国74の重点都市のPM2.5平均濃度は56%下がり、「重度の汚染日」は87%減少し、大気汚染対策が世界で最も速く効果をあげた国と称賛された。全国政協委員を務める中国気象局科学技術・気候変動司(局)の張興贏副司長は「中国の提唱した生態文明理念は、経済発展に力を入れる他の発展途上国に良き模範を示しており、『汚染されてから対策する』というかつての道を再び歩む必要をなくしている」と指摘。「環境、資源、ダブルカーボン目標などに対応した取り組みを行うのは、最終的に世界的な気候変動に人類が適切に対処するためだ。環境資源分野がグローバル・ガバナンスのためにさらに多くの知恵を結集して中国の案を示すことを期待している」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年3月10日