中国の張軍国連大使は24日、ウクライナ問題をめぐる国連安保理の公開会合で、世界が「新冷戦」に陥ることを決して許してはならないと指摘した。新華社が伝えた。
張大使は「ウクライナ危機と最近の一連の国際的緊張は、団結し、協力して共に試練に対処することが差し迫って必要なこの時代においては、意図的に挑発し、分断と対立を激化させるいかなる企てにも強く警戒し、世界の戦略的安定性をしっかりと守らねばならず、世界が『新冷戦』に陥ることを決して許してはならないということを物語っている」と指摘。
「冷戦思考やブロック対立は絶対にいけないということを、事実は証明している。21世紀の今日において、冷戦思考やゼロサムゲームはとうに時代後れであり、軍事力を盲信して、絶対的安全保障を求めれば、情勢が繰り返しエスカレートしていく事態を招くだけであり、どの側の利益にもならない」とした。
張大使は「ダブルスタンダードや選択的適用は絶対にいけないということを、事実は証明している。国連憲章の趣旨と原則の遵守、主権と領土的一体性の尊重は、口先だけの引用ではなく、実践の中で真に実行に移し、国や問題の違いを問わず一貫させ、言行を一致させるべきだ。中国は一貫して他国の主権と領土的一体性を尊重しており、自国の主権と領土的一体性も必ず断固として守る」と表明。
「ウクライナ問題における中国の立場は一貫した、明確なものだ。第1に、紛争に対する『安全弁』を設ける必要がある。国際人道法が紛争当事者の行為準則となるべきであり、民間人や民用施設を軍事攻撃目標にしてはならない。第2に、人道面の被害の軽減に全力を挙げる必要がある。国際社会は、ウクライナの難民や避難民が困難を乗り切れるよう支援するとともに、紛争が世界の食糧、エネルギー、金融の安定に与える影響の軽減にも尽力する必要がある。第3に、外交的解決の道を残しておく必要がある。平和が制裁や圧力、武器供与によって得られたことはこれまでなく、平和は各方面が共同で勝ち取り、維持する必要がある。どんなに状況が複雑で、厳しい溝があろうとも、外交対話の扉を閉ざしてはならない。ロシアとウクライナは対話と意思疎通を継続し、外交交渉を早期に再開して、停戦の可能性を高め、環境を醸成し続けていくことを目指すべきだ。米国とNATOは自らの役割を真剣に振り返って再考すべきであり、火に油を注ぐのではなく、和平促進に真に資することに力を注ぎ、重点を置くべきだ」とした。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年8月25日