世界の海面油膜の90%超が人類活動由来

人民網日本語版 2022年06月20日13:39

「ネイチャー」の最新の研究によると、中国と米国の科学者からなる研究チームは世界の海洋の石油汚染を調査するとともに、世界の海面油膜マップを作成した。チームによると、圧倒的多数(94%)の海面油膜が人類活動によるものであり、この割合はこれまでの試算を遥かに上回っていた。最新の累計油膜面積は約150万平方キロメートルで、フランスの面積の2倍以上だ。科技日報が伝えた。

米テイラー・エナジー社のプラットフォームが2004年、ハリケーン・アイバンによって破壊され、石油が流出した。画像は2013年に撮影された油膜(画像提供はイアン・マクドナルド氏)。

これは従来の海洋石油汚染調査の重要な更新だ。これまでの調査では、海面油膜の約半分が人類活動によるもので、残りの半分が自然によるものと見られていた。

海面油膜は海洋表面の極めて薄い油層のことだ。大規模な石油流出により発生するだけでなく、人類活動及び自然からも広く、持続的に発生する。これらの油膜は風と海流により絶えず「運搬」される一方で、波によって分断される。これは調査を難しくした。油膜を発見し分析するため、研究チームは人工知能を利用し2014−19年に集められた56万枚余りの衛星レーダー画像を集めた。これにより油膜汚染の位置、範囲、可能な出所を特定しようとした。南京大学地理・海洋科学学院教授で連絡著者の劉永学氏は、「衛星技術は海洋石油汚染、特に人類ではモニタリングしにくい海域をより良く監視する方法をもたらした」と述べた。

ごく少量の石油であっても、海洋の食物連鎖の基礎をなす浮遊生物に重大な影響を及ぼす。その他の海洋動物、例えばクジラやウミガメなどは、水面に浮上し呼吸する際に石油に触れると害を被る。

研究者によると、大半の油膜は海岸線付近にある。油膜の約半分が海岸線から40マイル内に、90%が約160キロメートル内にある。米フロリダ州立大学地球・海洋・大気科学学部教授で論文共著者のイアン・マクドナルド氏は、「人々がこれらの経験と教訓を汲み取り、このマップを世界の油膜高度集中エリアに応用できれば、この状況を改善できる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年6月20日

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