シナウスイロイルカ(中華白海豚)は数が少ないことから「海の国宝」と呼ばれている。シナウスイロイルカは主に海水と淡水が交わるエリアで生息し、人類の活動地域と重なっている。その生存は意図せぬ漁獲、船舶の衝突、環境汚染、食料不足、水中の騒音などの脅威にさらされている。珠江河口海域では世界で個体群が最大のシナウスイロイルカが生息している。広東珠江河口シナウスイロイルカ保護区管理局はここ数年にわたり複数の方面と共同で、各種の革新的な形式と技術を採用し、シナウスイロイルカと海洋生物の多様性の保護に取り組んでいる。科技日報が伝えた。
珠江河口保護区の海域におけるシナウスイロイルカの個体群の数と分布の特徴を調査するため、広東珠江河口シナウスイロイルカ保護区管理局、中国科学院水生生物研究所、南方海洋科学・工学広東省実験室(珠海)、珠海雲洲智能科技股份有限公司などが協力し、初めて「無人船+パッシブ音声モニタリング」技術をシナウスイロイルカ個体群調査に革新的に用いた。設備の水準を高めると同時に、モニタリング効率を効果的に高めた。
広東珠江河口シナウスイロイルカ保護区管理局技術課の陳希課長によると、珠江河口では現在約2500頭のシナウスイロイルカが生息している。そこは中国のシナウスイロイルカが最も集中的に分布しており、数が最も多いエリアだ。珠江河口のシナウスイロイルカの個体群の分布と数を把握するため、保護区は定期的にシナウスイロイルカ個体群資源のモニタリングを展開する必要がある。「今回は無人船を調査船とした。電力駆動のため騒音が少なく、モニタリング中の船舶の騒音がシナウスイロイルカに与える干渉を最大限に減らしている」と陳氏。
広東珠江河口シナウスイロイルカ保護区管理局はさらに無人船を「電子フェンス」管理技術に溶け込ませている。レーダーとAIS(船舶自動識別装置)によってモニタリング保護区内の船舶の動きをリアルタイムでモニタリングし、自動的に記録し、規則違反の疑いのある船舶の早期警戒を行う。さらには無人船の一定方向の巡回・保護に至るまでの全過程の「スマート化」「自動化」を実現し、テクノロジーの力によって警戒に当たっている。珠江河口のシナウスイロイルカの保護の堅固な壁を築き、海洋生物多様性を守るためテクノロジーの力を活用する。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年4月25日