チャルメラは、中国の庶民の間では「ラッパ」とも呼ばれ、冠婚葬祭の時などに幅広く使われ、多くの人に愛されている楽器となっている。河北省灤州市九百戸鎮劉荘村に住む劉桂存さん(75)は有名なチャルメラ演奏者。チャルメラ一家に生まれた劉さんは8歳からチャルメラを習い始め、そのチャルメラ歴はなんと67年、これまでに1000人を超える人々にチャルメラの演奏を伝授してきた。中国新聞網が報じた。
チャルメラを教える劉桂存さん(撮影・李陽)。
劉さんが先代たちと共にまとめた劉氏チャルメラ技芸は、河北省東部一帯で非常に有名で、その4代目継承者の劉さんは、子供の頃から家族の影響を受け、8歳でチャルメラを習い始め、12歳で舞台に上がって演奏するようになったという。その後、19歳の時に軍に入隊し、軍の文芸工作団のメンバーとして10年の経験を積み、チャルメラの腕をさらに磨いた。
1976年、退役した劉さんは故郷に戻り、灤県評劇団で働くようになった。「一般の人の前で演奏する機会が多くなり、少しずつ一般の人々や専門家に演奏を認めてもらえるようになった」と劉さん。
1995年、劉さんは1枚目のアルバム「嗩吶王情話」をリリースし、2010年には、「唐山市級無形文化遺産チャルメラ吹歌伝承人」に認定された。
楽譜を数字譜に書き換える劉桂存さん(撮影・李陽)。
しかし、社会が発展するにつれて、大衆娯楽も日に日に多元化し、チャルメラは影をひそめるようになり、チャルメラ演奏者が演奏する機会は、農村の冠婚葬祭の時だけになってしまった。そのため、チャルメラを演奏できる人は減少する一方で、劉さんはそのことをとても心配している。
伝承するためには、曲譜を消失させることは絶対にできない。そのため、劉さんは近年、民間で伝えられてきたチャルメラの曲譜を整理している。そして、伝承しやすいようにと、数千年にわたり伝えられてきた工尺譜を数字譜に書き換え、曲譜をさらに分かりやすくまとめている。
チャルメラを教える劉桂存さん(撮影・李陽)。
劉さんは今、インターネットも使いこなし、ライブ配信プラットフォームでもしばしばチャルメラの演奏を配信しており、フォロワーも6万人に達している。劉さんは、「インターネットを通して、チャルメラの音を、各地のフォロワーの心に響かせ、一人でも多くの人にこの伝統芸術の素晴らしさを感じてもらいたい」とした。(編集KN)
「人民網日本語版」2022年4月15日