中国15省の人口統計が発表 河南省は44年ぶりに出生人口が80万人割り込む (2)

人民網日本語版 2022年03月15日14:45

中国の人口勢力図に変化

人口を全国的に見ると、中国の総人口の増加ペースは鈍化しており、全国の人口をめぐる勢力図が変化しており、中部、西北エリア、東北エリアといった地域の人口が依然として、南東の沿海地域へと集まっている。中国社会科学院都市発展・環境研究センターの研究員・牛鳳瑞氏は、「人口の分布は産業の分布と関係している。 産業が発展すればするほど、雇用の機会も増え、給与の水準も高くなり、若者たちも集まるようになる。そのため、南東の沿海地域の経済発展が、多くの人口が流入する要因となっている」と分析する。

すでに人口統計を発表している15省のうち、12省が2021年の出生人口統計を発表している。うち、1億人以上の人口を抱える広東省、河南省、山東省も同統計を発表している。中国トップの経済大省である広東省の出生人口は118万3100人と、中国全体の11.1%を占め、その出生人口が100万人の大台を超えた全国唯一の省となった。

広東省の後に続いたのは河南省で79万3000人だった。ただ、1978年以降の最少記録で、1983年以降で初めて80万人の大台を割った。同省の出生人口は2020年に初めて100万人の大台を割っていた。中国で3位の経済大省である山東省も1983年以降で初めて80万人の大台を割った。

広東省、河南省、山東省の2015年以降の出生人口の推移を見ると、2015年の順位は上から順に河南省、山東省、広東省だった。二人っ子政策が全面的に実施された2016年、山東省の出生人口がトップに立って177万人となり、増加幅は43%に達した。一方、河南省と広東省の増加幅は、5.14%と7.9%に留まった。2017年、山東省は引き続き175万人と高水準を保ち、広東省は151万6300人で2位となり、河南省は3位に順位を落とした。

2018年、山東省の二人っ子政策の全面的な実施効果は薄れ始め、出生人口は133万人と、減少幅が24%になり、順位も2位に落ちた。それに対して、広東省と河南省もやや減少したものの、減少幅はかなり小さくなり、広東省がトップに立った。2019年には、山東省の出生人口は118万人で3位に後退し、1位は広東省、2位は河南省となり、その順位を2021年までキープしている。

表:2015年以降の広東省、河南省、山東省の出生人口の推移

全体的に見ると、山東省は計画出産政策の変化の影響を最も受けており、特に二人っ子政策が全面的に実施されると、2016年には出生人口が前年比で53万4800人多い177万600人と、中国全土の約10分の1を占めた。うち、第二子の割合が63.3%と、第一子を大きく上回った。ただ、二人っ子政策の効果が薄れるようになって以降、山東省の出生人口の減少ペースは最も速くなった。

一方、広東省と河南省は、計画出産政策の変化の影響をあまり受けていない。その他、広東省は経済が発達し、都市化が高いものの、その人口出生率も常に高い水準をキープしている。

牛氏は、「広東省の出生率が高いのは、同省は流入人口が多いことと大きく関係している。流入人口は青・壮年がメインであるため、出産適齢期の人口が非常に多い」と分析している。(編集KN)

「人民網日本語版」2022年3月15日

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