作戦を練って、目覚ましをセットし、徹夜でスマホを操作して予約。そんなスマホを片手に博物館の入場チケットを争奪する日が来るとは、誰が予想していただろうか?中国新聞網が報じた。
5月1日のメーデーに合わせて5日までが5連休となる中国。今、多くの人が連休中のスケジュールを立てていることだろう。自宅でゆっくりと過ごしたり、行楽地に出かけることを予定している人も多いかもしれないが、最近、予約する時になって、「穴場」に見られがちな博物館の入場チケットが「完売」続出になっていることに気づいている人も多いだろう。
なぜ博物館がこれほどの人気ぶりになっているのだろうか?
湖南省博物館の入場チケットが入手困難に
「コンサートやオペラ、故宮博物院などのチケットはこれまでうまくゲットしたことがあるのに、湖南省博物館の入場チケットだけは手に入れることができなかった」。
27日早朝、「湖南省博物館のメーデー5連休中のチケット予約に関する緊急のお知らせ」がネット上で話題をさらった。報道によると、湖南省博物館は26日、5連休中も通常通り営業することを発表。ただ、1日当たりの受け入れ人数は9000人限定で、入場チケットが入手しにくい状況が発生しているという。
同博物館の公式サイトを見ると、5月1日から3日までのチケットは全て「完売」となっていた。
多くのネットユーザーらは、「夜中の1時に目覚ましをセットして、予約しようとしたのに、何度やってもつながらず、いつの間にか寝てしまって、3時に目が覚めて見たらもうチケットはなくなっていた」や「何回予約しようとしても、結局成功しなかった」と、あれこれ手を尽くしたにもかかわらず、手に入らなかったと肩を落としている。
また、何とか予約できたというネットユーザーも、「真夜中にやっと予約できた。家のベランダでスマホを操作している時、団地の他の家の電気も付いていた。みんな湖南省博物館の入場チケット予約のために起きているのではないかと感じた」と、チケット予約に一苦労したことを綴っている。
博物館の入場チケットの予約をするために、作戦を練り、目覚ましをセットし、インターネットのスピードの速さを競うことになるとは、「全くの想定外だった」というのが、多くの人の本音かもしれない。
博物館に行くためにも「争奪戦」
実際には、「争奪戦」が繰り広げられているのは、湖南省博物館の入場チケットだけではない。
例えば、北京の故宮博物院の入場チケットは5月5日まで既に「完売」となっている。また、中国国家博物館の公式サイトの入場チケットを予約するページを見ても、5月1日から5月4日までが既に「完売」となっており、同博物館の入場者数は1日当たり8000人に制限されている。
文化的奥深さを誇る文化財をテーマにした文化クリエイティブグッズが人気の陝西省歴史博物館の入場チケットは、本稿執筆時点で、5月1日から5月6日まで「完売」となっている。
「争奪戦」は伝統文化人気の表れ
故宮の文化クリエイティブグッズが一世を風靡したり、各種博物館や文化財とのコラボ商品が続々と大ヒットとなったりと、中国の多くの若者が今、中国の伝統要素を取り入れたおしゃれな国産品のブームに乗っている。また、博物館で春節(旧正月)を迎えるというのも、多くの人の新たな春節の過ごし方となっている。
連休中の人気博物館の入場チケットが入手困難になるという現象は、人々が精神文化を追求し、伝統文化を愛するようになっていることを示している。博物館に眠っていた文化財が突然大人気になっているというのは、偶然起きた現象では決してない。
5連休中、あなたも博物館に行く予定しているだろうか?(編集KN)
「人民網日本語版」2021年4月28日