国連特別報告者(有害物質及び人権問題)のMarcos Orellana氏はこのほど、「日本政府が海洋放出という方法で福島原発事故の汚染水を処理すると決定したことは地球の生態及び衛生上に災禍をもたらし得る。日本政府が関係する国際法上の義務を担い、今後取る措置について国際的協議を行うことを望む」とした。新華社が伝えた。
そして、「国際原子力機関(IAEA)と協力する日本政府のやり方は当然非常に重要だ。だがこの国際機関との協力のみで、日本が他の尽くすべき国際法上の義務を免除されるということにはならない」と指摘。
さらに、「現代国際法は一国が他国または海洋環境に被害を与えることを禁止している。これは日本が可能な限り、できる事を尽くしてしっかりと調査を行い、他国や海洋環境への被害を防がなければならないことを意味する」とした。
Orellana氏は、「科学者達の間には、放射線は低線量下でもダメージを与え得るため、原発事故汚染水の潜在的影響に関しては、まだ大きな不確定性があるとの考えもある」と指摘。その上で、「環境に関する国際法は、環境に被害を与える可能性のある計画、事業、決定はいずれも国際的協議を行う必要があると定めている」とした。
また、最後に、「国際法には慎重性の原則がある。つまり人類の健康と環境が脅かされることを示す証拠がある時、不確定性を前に、関係国は人類と環境が放射性物質や有害物質に曝されるのを防ぐため、慎重に事を運ばなければならないということだ」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2021年4月26日