中国の新型コロナワクチン、年産能力20億回分以上の可能性

人民網日本語版 2021年01月06日13:48

北京市などで接種が始まった新型コロナウイルスワクチンはどういったタイプになるのだろうか。ワクチンの生産能力は需要に追いつくのだろうか。一般の人々への接種はいつから始まるのだろうか。北京疾病予防管理当局は5日、人々が注目するこうした問題について詳しく解説した。中国新聞網が伝えた。

■緊急接種ワクチンはどのタイプ?

北京疾病予防管理当局によると、北京で現在使用されているのは全ウイルス不活化ワクチンとなる。化学的な方法などにより新型コロナウイルスに感染力と複製能力を失わせると同時に、人体の免疫反応の活性を保つワクチンとなる。

■生産能力は需要に追いつくのか?

中国の5つのワクチン技術ロードマップに基づき、北京はワクチン科学研究と産業の優位性を結びつけ、不活化ワクチンの研究開発に焦点を絞り、プロジェクトを立ち上げ国薬中生北京公司と北京科興中維公司などがその進展を加速させるようサポートしている。

北京市大興区によると、同区にある北京科興中維公司は2020年3月末に新型コロナウイルス不活化ワクチン産業化建設プロジェクトを開始しており、現在の年産能力はすでに10億回分にのぼっている。

中国工業・情報化部(省)が5日に発表した情報によると、国薬中生北京公司はワクチン生産のペースアップを開始した。同新型コロナワクチンプロジェクトの生産責任者は、「当社は一分一秒を争い、昼夜兼行でワクチン生産を進めている。今年の不活化ワクチンの生産能力は10億回分以上に達する」とした。

中国では現在18社が新型コロナウイルスワクチンの生産能力の建設を展開している。

■一般の人々への接種はいつ頃から?

計画によると、北京は今年1月から2月にかけて、9種の重点対象者への新型コロナウイルスワクチン接種作業を計画的に展開する。

北京の現在の接種方針は、「2ステップ」プランに基づく市全体の実施となる。第1ステップでは、重点対象者に接種を実施する。これにはコールドチェーン、通関地における検疫、港湾における水先人、航空機の乗務員、生鮮食品市場、公共交通機関、医療疾病予防管理などの感染リスクが高い職種の人、及び出張や学習のため中・高リスクの国・地域に渡航する人が含まれる。第2ステップでは、ワクチンの条件付きでの販売承認、ワクチン生産量の拡大に伴い、より多くのワクチンが使用されるようになる。北京では秩序ある接種を展開していくことで、条件を満たすすべての市民は接種すべき人が接種できるようになる。

■接種は何回?抗体の有効期間は?

北京疾病予防管理当局によると、推奨されている免疫獲得の流れは、14日以上間隔をあけた計2回の接種となる。接種部位は上腕三頭筋。1回目の接種後、接種機関は2回目の接種時期を告げる責任がある。免疫獲得の流れを恣意的に調整した場合、その安全性、免疫反応効果、抗体有効期間に影響が生じる。

新型コロナウイルスが発見されてからまだ時間が短いため、ワクチンの有効期間について語るのはまだ時期尚早だ。世界保健機関(WHO)の規定・要求によると、ワクチンの抗体有効期間は半年以上であり、これはほぼ問題ないことが証明されている。

■その他のワクチンと同時に接種できるか?

北京疾病予防管理当局は、その他のワクチンとの同時接種を推奨していない。新型コロナウイルスワクチンという新型ワクチンについては、接種時期をその他のワクチンと2週間以上ずらし、予想外の相互影響を極力避けるべきだとしている。同時に接種後の反応をしっかり観察する必要もある。

■ワクチン接種後もマスク着用は必要か?

疾病予防管理当局によると、ワクチンの保護効果は現在いずれも100%に満たず、接種後も保護効果が出なかったり、なかには発症する人も少数ながらいる。現段階ではまだ免疫の壁が構築されておらず、そのため接種後もマスク着用やこまめな手洗い、窓を開けて換気すること、ソーシャルディスタンスの確保といった個人防護措置が必要となる。

ワクチン接種により感染リスクをある程度下げることができるが、保護効果が100%に達するワクチンは存在しない。必要な場合は関連機関に協力しPCR検査を受けなければならない。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年1月6日

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