「5分で荷物が届いた」、「6分で口紅が届いた」、「10分で荷物が団地の宅配ロッカーに届いた」など、分単位で届く宅配便のスピードに、中国のネットユーザーは、「まさか近所の人が荷物を送ってくれたの?」、「私が買い物をキャンセルしてしまわないように、宅配便配達員は支払いを終えるのを家の前で待ってたのかしら?」、「宅配便はデリバリーよりスピーディになった?」などと目を丸くしている。中国新聞網が報じた。
残金支払いから5分後に荷物が到着!?
「夢を見ているようなスピード」。今月1日0時過ぎ、中国最北端の黒竜江省漠河県に住む栄さん(女性)は、ショッピングサイト・京東で予約していた口紅を受け取った。それは、残金の支払いを済ませてなんとわずか6分間後のことだった。
漠河県から約4000キロ離れた甘粛省酒泉玉門市に住む王さん(女性)も、残金の支払いを済ませてから10分後に気に入って購入した口紅を受け取った。
深夜に宅配便を配達する京東の配達員。画像は京東が提供
浙江省杭州市蕭山区に住む李さん(男性)は化粧品を購入し、0時半に残金の支払いを済ませると、5分後にそれを受け取った。また、同じ杭州市に住む馬さん(女性)も、決済を済ませてから約20分後に、阿里巴巴(アリババ)の物流ロボットが物流会社・菜鳥驛駅の宅配ロッカーに荷物を届けに来た。
劇的な「分単位での配達」のほか、予約金を事前に支払い、1日0時になるのを待って残りのお金を払った人たちは、翌朝、自然に目が覚めるのではなく、宅配便配達員の電話で目を覚ました。
1日未明に残金の支払いをして、翌朝に宅配便配達員の電話で目が覚めたという人もいれば、キャンセルしようと思っていたのに、その前に配達員が来てしまったという人もいる。
今年のダブル11の配達がこんなにスピーディなのはなぜ?
京東の関係者は取材に対して、「宅配便がデリバリーよりスピーディになったのは、『予約制』を採用したから。消費者が予約金を支払った時点で、荷物の準備を始め、その商品を前もって消費者から最も近い宅配会社の営業所に配送しておく。そして、消費者が残金を支払った時点で、配達員がすぐに届けに向かう。そのため、数分で商品の配達が完了する」と説明した。
荷物を高速列車内に積み込むスタッフら。荷物は飛行機や高速列車に積み込まれてスピーディーに配達されている。(撮影・宋佳龍)。
菜鳥の中国国内のサプライチェーンの責任者である黄巍総経理によると、消費者が予約金を支払った商品は、事前に消費者に近い営業所やコミュニティに配送され、残金が支払われると、「残金支払い待ち状態」がすぐに「荷物受け取り状態」に変わり、荷物が届けられるという。
阿里巴巴(アリババ)と京東が今年、申し合わせたかのように予約制を採用したことについて、業界の専門家は、「その背後にはデジタル化されたサプライチェーン保障体系があり、ビッグデータに基づいて需要の試算をし、それを中心にした物流対応能力を確保している」と分析する。
「残金を支払った1分後に、荷物が宅配ロッカーに届いた」とするネットユーザーの書き込み。画像は微博(ウェイボー)から
また、越境ECもよりスピーディーになっている。菜鳥のデータによると、同社は中国各地の税関、通関地と連携して作業を行い、今月1日午前6時33分の時点で、消費者が同日に購入した輸入商品のうち、1000万件以上が既に通関した。それら荷物は、続々と配送手続きが行われ、最も早くて当日に配達が完了した。そのスピードは、昨年のダブル11(11月11日のネット通販イベント)当日と比べて2時間14分早くなり、25%スピードアップした。
国家郵政局は、今年のダブル11期間(11月11‐16日)中は、宅配便の数がピークに達し、1日当たりの宅配便取扱量は4億9000万件と、普段の2倍に増加すると予想している。そのため、事前予約されていない中国国内外の商品が届くまで、もう少し時間がかかるようになると見られている。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年11月4日