「世界の株式市場が停滞して上昇しないのに、中国株は上がっている」、「一体、中国株の急速な反転上昇の原因は何なのか」。今月7日、中国株式市場がまたもや議論の的になった。「環球時報」が伝えた。
武漢科技大学金融証券研究所の董登新所長は7日に取材に答える中で、「A株市場は5年もの長きにわたる抑圧状態を経て、新たな『はけ口』を必要としている」との見方を示すと同時に、「今回の反転上昇の動きはまだ強気市場とはいえないので、投資家は理性的に対処する必要がある」と注意を促した。
株式市場の上昇を後押しした要因は何か?
7日には、上海総合指数が3400ポイント台に達し、最終的に約0.4%上昇で引けた。創業板指数は約2.5%上昇で引け、一時は上昇率が4%を超え、深セン成分指数は約1.8%上昇で引けた。前日の上海総合指数は5.7%上昇の3332.9ポイントだった。
米誌「ウォール・ストリート・ジャーナル」の7日付報道では、少額投資家が大量に市場に押し寄せて、中国株が急騰したという。現在、少額投資家は経済回復及び緩和的な金融環境が企業の利益の伸びを推進することを期待している。一部のアナリストは今回の市場の状況を2015年の大暴落・大高騰を繰り返した時と比較し、一部の投資家は手元のポジションを調整した。英国紙「フィナンシャル・タイムズ」は、14年6月から15年6月までの間に、上海の主要株価指数は約150%上昇したが、その後1ヶ月足らずで32%下落したと伝えた。
アナリストと投資家は、「中国株の連続上昇をもたらした原因を1つだけ明確に指摘することは難しい」という。ロイター通信の7日付報道によると、アナリストの中には、大幅上昇は主に人々の強気市場への期待感の反映だとみる人がいるという。
「ウォール・ストリート・ジャーナル」によると、一部の人は中国政府系メディアの宣伝が原因だと考えているという。米メディアのこうした見方は、数多くの中国人と中国メディアにとってはでたらめでしかない。
中国GDPは第3四半期に6%増か?
より多くの見方は、中国株式市場の方向は中国経済の基本面の動きによって決まるというものだ。中国交通銀行金融研究センターが7日に発表した報告書では、グローバル経済は今年、第二次世界大戦後で最も低い成長になる可能性があるが、中国経済は通年でプラス成長を達成できる見込みであり、例年通りであれば、第3四半期(7-9月)の経済成長率は6%前後まで回復し、通年では2.5%前後に達する見込みで、改革の加速という方向性が明確になるとみられる。7日付の「日本経済新聞」は、中国株が大幅に上昇していることを伝え、その背景には経済回復や市場の活性化措置への期待があるとした。経済回復の流れが中国株の高騰を支えたという。6月末に発表された中国の製造業購買担当者景気指数(PMI)は50.9で、先月に続いて景気・不景気のボーダーラインとなる50を超えた。