2月1日以来、紅豆集団(江蘇省無錫市)のスーツ生産現場は連日深夜になっても明かりが消えることはなく、200人を超える従業員が裁断、縫製、梱包と作業を進め、1分1秒を争うようにして受注をこなしている。新型コロナウイルス対策で必要になることから、同集団は生産ラインをあっという間に転換させ、スーツ生産ラインを調整して国が早急に必要とする医療用防護服の生産ラインに切り替えた。量産化を達成し、一般的な医療用防護服の1ヶ月の生産量は30万枚を超えるようになった。
感染症が発生すると、民間企業が次々に立ち上がった。九州通、以嶺、人福などの医薬品メーカーは資金や物資の寄付を行うと同時に、操業の全面再開を急ぎ、供給の保障に努めた。武漢高徳紅外の従業員が作業時間を延長して製造した体表温度スクリーニング機能を備える赤外線サーモグラフィは、すぐに交通ターミナルや武漢市の各大手病院に割り当てられた。突貫工事で建設された武漢火神山医院と雷神山医院は「愛」が集まる場所になり、レノボ(聯想)がIT(情報技術)設備を寄贈し、美的、TCL、創維が家電製品を寄贈し、金牛管業は必要なパイプ製品を寄贈し、春秋航空は運航するすべての路線で救援物資を無償で輸送し、伝化物流、順豊速運、京東物流は相次いで特別ルートを開設した……
中華全国工商業連合会がまとめた統計データによると、3月30日午前9時までに、全国の民間企業11万314社が資金や物資の寄付、基金設立、保険や保障の提供、賃貸料の減免、各種補助金などの方法で感染症対策を支え、寄付金は172億1400万元(1元は約15.2円)、寄付物資の価値は118億8300万元分、基金は61億8100万元、その他の保険・保障、賃貸料減免、補助金などは合計151億2100万元に上った。
雇用が安定すれば、人々の心も安定する。一部の民間企業は賃金を下げることもリストラをすることもなく、雇用をより多く提供することさえした。3月27日、娃哈哈集団はクラウド求人イベントを開催し、1千人以上を採用する計画を打ち出した。同集団の宗慶後会長は、「民間企業は人材を吸い上げて雇用する中心であり、雇用の安定は私たちが道義的に負うべき責任だ。重要な時期には、企業家は自分の門を守り、自分の身内の面倒をみ、自分のことをしっかりやる必要がある」と述べた。
多くの民間企業が生産ラインの第一線をしっかり守り、互いに見守り助け合い、力を合わせて協力し、産業チェーン市場の緊密な結びつきを保障した。浙江省義烏市にある菜鳥網絡の国際集荷発送センターでは、自動化された仕分け設備が配達員の集荷してきた荷物をスキャナで読み取り、仕分けしていた。午後10時頃になるとトラックに積み込まれて杭州蕭山国際空港に運ばれ、ここから世界各地へ送られる。
菜鳥の熊偉社長補佐(速売通輸出物流事業部ゼネラルマネージャー)の説明によると、「国際物流供給チェーンは対外貿易の安定に関わるものであり、国際物流のスムーズな流れを確保することがすぐにも必要だ。菜鳥は国際航空貨物輸送をすでに全面的に再開し、通常のチャーター機業務も持続的に拡大して、世界の輸送力不足を補っている。これまでに複数のチャーター路線を相次ぎ開設した」という。
亨通集団常熟国際海洋産業パークのふ頭では、長く尾を引く汽笛の音とともに、超高圧海底ケーブルを満載した海洋工事ケーブル敷設船が順調に出航した。亨通集団取締役会の崔根良代表は、「優位性を発揮して『新たなインフラ建設』のために力を添えたい。感染症には私たちの操業再開の歩みをとどめることはできない。私たちは改革開放によって生まれ、国の発展を受けて大きくなった。重要な時期には相応の責任を負うべきだ」と述べた。(編集KS)
2020年4月12日、江蘇省宿遷市沐陽県の新材料メーカーの従業員が、生産現場の状況をチェックしている様子。(撮影・仲崇亮。写真提供は人民図片)
4月10日、安徽当塗経済開発区にある奥克斯集団の生産拠点で、従業員がエアコンを急ピッチで製造する様子。(撮影・王文生。写真提供は人民図片)
「人民網日本語版」2020年4月15日