中英の研究チーム、稲の遺伝子調節により窒素肥料の利用効率が向上

人民網日本語版 2020年02月10日15:00

 中国と英国の研究チームは、稲の一つの重要遺伝子を調節することで、その窒素肥料の利用効率が上がることを発見した。この研究は稲の品種改良に活用される見込みで、施肥のコストと環境汚染リスクを削減すると同時に、稲の生産量を上げる。新華網が伝えた。

 米サイエンス誌の巻頭を飾ったこの研究によると、現在の主要稲品種のうち、稲の成長・発育の窒素への反応に関する重要遺伝子としてのNGR5の発現量を増やすことで窒素肥料の利用効率を高めるだけでなく、その優良な半矮性や高収量の特性を維持できる。窒素肥料の使用量を適度に減らした上で、より多くの生産量を達成できる。

 論文の連絡著者の一人で、中国科学院遺伝・発育生物学研究所の傅向東氏は、「1960年代の矮化育種を象徴とするグリーン革命により、稲と小麦は肥料の大量投入に耐えることができ、倒れにくく高収量という優れた特徴を持つようになったが、窒素肥料の利用効率が低いという欠点も存在し、稲の生産量の化学肥料への依存度が高くなった。窒素肥料の大量使用は、大気汚染と河川・湖沼の富栄養化を引き起こす」と述べた。

 研究者によると、彼らは稲品種のNGR5の優れた対立遺伝子を発見した。窒素肥料水準への反応が敏感で、これを利用することで「低コスト・高収量・環境にやさしい」新品種の栽培につながるという。(編集YF)

 「人民網日本語版」2020年2月10日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング