標高2621メートル、年平均気温が氷点下36.6 度の南極・泰山基地は過酷な環境のため、電力の供給が不足していた。しかしこの歴史はまもなく終止符を打たれようとしている。東南大学が泰山基地向けに製造した無人移動電源「東大極能」が15日、中国第36次南極科学観測に参加するように上海市に運ばれた。22日に雪竜号に乗り南極に向かう予定。科技日報が伝えた。
この巨大なモバイルバッテリーは、冬の南極の氷点下80-90度の極寒に耐えることができ、1年にわたり24時間連続で極地科学観測設備に給電できる。泰山基地の科学観測設備に給電し、衛星遠隔操作により泰山基地の運営状況をモニタリングする。これは中国が初めて使用する国産極地無人エネルギーシステムだ。
東南大学が開発したこの巨大なモバイルバッテリーは、2つのコンテナのように見える。うち1つは制御モジュール、もう1つは発電モジュールだ。発電モジュールの中には6つの発電ユニットがあり、太陽光や燃料で発電する。航空燃料5トンで、太陽光エネルギーが不足した際の需要を満たすことができる。
東南大学自動化学院の魏海坤執行院長は「泰山基地の科学観測設備の電力消費総出力は約2.5kWだが、この移動電源の最高出力は3kWだ。現在は1年にわたり、24時間連続で稼働できる」と説明した。(編集YF)
「人民網日本語版」2019年10月16日