香港でデモ行進と暴力的な衝突が始まってからすでに2ヶ月近くになり、香港の法治、社会秩序、経済、民生、国際的イメージは大きな打撃を受けている。過去1ヶ月で、香港小売管理協会の多数の会員は売上が明らかに減少し、消費者信頼感指数は過去5年間で最低となった。東南アジアからの団体観光客は激減しており、70%以上減少することになるとみられている。香港のビジネス環境はプレッシャーを受けており、この状況が続くのを許せば、香港社会の発展の基礎が蝕まれ、過去数世代の香港人が努力して得た成果が一朝にして破壊されるのは必至だ。人民日報が伝えた。
香港市民にとっての幸せとは安定と繁栄だ。復帰後の22年間、香港自身の特色と優位性は保たれ、中国と西洋の双方を兼ね備えた雰囲気とロマンチックさに変化は生じておらず、活力ある都市としての魅力は昔日にも勝ってきた。その重要な原因は社会・経済・政治の大局が安定していたことにある。だからこそ、暴力で香港を乱す行為に対して、多くの香港市民が「この状態が続くと香港を救えない」との懸念を表明し、社会各界の人々が「私は香港を愛し、暴力を拒絶する」や「法治を守り、平穏を保つ」とのスローガンを叫んでいるのだといえる。社会の調和と安定の維持が、香港社会各階層、各界、及び外国人投資家の共通利益にかない、香港が国際金融センター、国際貿易センター、国際海上輸送センターとしての地位を保つうえでの重要な条件であることを、人々は熟知している。香港は安定し繁栄すれば、競争力が高まる。混乱が続けば、香港社会全体がそのつけを支払うことになる。その道理は非常にシンプルであり、社会が混乱すれば、人心も削がれる。すると経済発展を語る余裕はなく、ましてや人々の幸せな生活など考えようがなくなってしまう。
香港は多元的社会であり、いくつかの具体的問題において異なる意見、さらには重大な溝があるのはおかしなことではない。だが「全てを政治問題化する」渦に陥り、人為的に対立と対抗を引き起こすのであれば、何の役にも立たないうえに、経済・社会発展を深刻に阻害する。香港には立派な資産があるが、世界経済の構造が深く調整され、国際競争が日増しに激化する中、また大きな試練に直面する中、ごたごたにも内部対立による無駄な消耗にも耐えられない。もし暴力行為が続くのなら、ビジネスの国際的大都市としての香港の名声が損なわれ、数多くの香港人の直接的利益と基本的幸福が損なわれるのは必至だ。早急に政治紛争から抜け出し、暴力行為に断固「ノー」と言わなければならない。これは喫緊の課題であり、人心の向かうところでもある。
小さな漁村から大都市へ。発展は香港の立身の本であり、香港の様々な問題を解決する金の鍵でもある。少年は楽しく成長することを望み、青年は才能を発揮することを望み、壮年は事業の成功を望み、年輩者は安らかな晩年を望む。このいずれもが、発展を通じて実現する必要がある。発展のチャンスを一度逃すのは、一つの時代を逃すことだ。今日、「一帯一路」建設は世界を結び、「粤港澳大湾区」(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)建設はまさに勢いづき、香港の発展に得難いチャンス、尽きせぬ原動力、広大な空間を提供している。チャンスを大切にし、チャンスをしっかりと捉え、主な力を建設と発展に集中し、「一国二制度」の制度的優位性を十分に利用し、経済グローバル化と地域協力の中で優位性を再構築して初めて、香港は新たな発展のドラマをつくることができる。
安定という礎石をひとたび失えば、社会の繁栄と発展は基礎を失い、これまで得てきた成果も失われる。香港地区が長い間蓄積してきたいくつかの深いレベルの矛盾は、社会各界が知恵と力を出し合って共に解消する必要がある。香港の安定と繁栄は、国家を愛し香港を愛する人々が一致団結して共に維持する必要がある。香港の法治と社会及び政治の安定を維持し、常に発展という最重要任務に焦点を合わせて初めて、香港の道は歩むほどに広くなり、香港の明日はさらに素晴らしいものになるだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年8月9日