中国航天科学技術集団公司第一研究院によると、2018年に中国の「宇宙連絡バス」に新しいメンバーが加入することが期待されているという。遠征1号乙上段ロケットは長征2号丙ロケットと組み合わせ、太陽同期軌道への打ち上げ任務を執行する。
上段ロケットとは一種の運送ツールで、「連絡バス」と似ており、異なる衛星をそれぞれの軌道に運送することができるものだ。
中国の上段ロケットに関する研究は1980年代から始まった。そのうち、中国航天科学技術集団公司第一研究院が研究開発した遠征シリーズの上段ロケットは通用性が強く、数回点火して起動でき、異なる任務のニーズを満たすことができるのだ。
遠征上段ロケットの「メンバー」として、すでに3機のロケットが登場している。遠征1号上段ロケットは基本型で、主に衛星を中高軌道に直接乗せる任務を担い、2回の起動のみ可能である。遠征1号甲上段ロケットは約20回の起動が可能で、異なる軌道での複数の衛星の配置を完成できる。遠征2号上段ロケットは遠征1号シリーズの製品で、エンジン2台が搭載され、運送能力が更に強い。
北京宇宙航空システム工事研究所研究員の王明哲氏によると、新型の遠征1号乙上段ロケットは遠征1号上段シリーズのビジネス版と簡略版で、主に直径3.35メートルのロケットと組み合わせて短時間飛行の打ち上げ任務を完了するという。
また、王氏は、「遠征1号上段ロケットの飛行時間は約6.5時間、それに対し、遠征1号乙上段ロケットは基礎レベルの分離が完了してからすぐに点火して加速することができるため、全体の飛行時間を1時間以内に短縮できる」とした。
「遠征1号乙上段ロケットは遠征1号上段ロケットに基づいて、システムの簡略化、部品レベルの引き下げなどの技術を行い、コストを削減し、経済型上段ロケットを作ることで、中低軌道や短時間の打ち上げ要求を満たすことができる」と王氏は語った。(編集HQ)
「人民網日本語版」2017年11月7日
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