中国科学院ソフトウェア研究所はこのほど上海聯彤網絡通訊技術有限公司と北京で、独自の知的財産権を持つOS「COS」(China Operating Systerm)を発表した。同研究所の李明樹所長は、「世界のOS市場がマイクロソフト、アップル、グーグルに独占される中、中国企業は産業チェーン全体をサポートする、完全に独自のOS能力を獲得した」と指摘した。経済日報が伝えた。
同システムの開発を担当した中国科学院の武延軍氏は、「COSは中国が独自の知的財産権を持つOSだ。COSはその他のOSを利用した商品とは異なる。Linuxの良い点を吸収したが、ローレベルコードからインターフェイスまでは完全に独自に進化させたものだ。スタートは遅れたが、スタートラインはより高めに設定されており、より幅広い戦略的展開を実現した。またCOSは中国の国情に適しており、国内メーカーへのサポートも行き届いている」と説明した。
COSの最大の特長は安全性だ。COSは中国の「核高基(重要電子機器、ハイエンドチップ、基礎ソフト商品)」プロジェクトの成果を活用し、カーネルの多くの脆弱性を修復した。同時にCOSを使用する端末でアプリをダウンロードする場合は、一つのアプリストアしか使用できない。COSはアプリストアで販売されるアプリを厳しく審査する。武氏は、「COSはアンドロイドなどのOSより安全な環境を提供する」と語った。COSはプラットフォームを跨ぐHTML5の応用、および第3者の仮想マシンによるJavaプログラムの使用を支持する。
「核高基」の成果を使用するCOSは、「産学研用(企業・大学・研究機関・実用化)」モデルの開発・模索と言える。上海聯彤の白逸民CEOは、「COSはパソコン、スマート端末、セットトップボックス、スマート家電などに使用される。COSを搭載したセットトップボックスはすでに量産されており、COSを搭載したスマートフォンは中国3大通信事業者のテストに合格した。COSを搭載した携帯電話は、今年上半期に正式に発売される」と語った。(編集YF)
「人民網日本語版」2014年1月21日