中米共同研究 東アジア人が汗をかきやすい原因が判明
全ての動物のうち、人類は最も汗をかく動物だ。米ハーバード大学と復旦大学がこのほど実施した共同研究の結果、東アジア人に特有のある遺伝子変異を持つ人は、特に汗をかきやすいことが分かった。人民日報が伝えた。
研究者は東アジア人特有のEDAR370Aという遺伝子変異に注目。3万年ほど前に出現したこの変異が、東アジア人の汗腺と毛髪の密度、毛髪の太さ、歯の特徴などを変化させたことを発見した。この研究成果は2月14日に出版された米科学誌「セル」で筆頭論文として発表された。
同研究チームの汪思佳教授によると、この遺伝子変異を持つ人は現在、中国漢民族の中で95%を占めるという。
復旦大学の研究チームが漢民族のボランティア2500人に対する調査を行った結果、この変異を持つ人は持たない人に比べて汗腺の密度が約15%高く、毛髪が太く、歯の形も異なることが分かった。ハーバード大学は動物研究を通じ、この遺伝子変異が確かに汗腺と毛髪の発育に影響をもたらすことを証明した。
論文著者の1人、復旦大学現代人類学教育部重点実験室の金力主任は、「汗をかく能力の向上により、我々の祖先は高温多湿の環境にうまく適応することができた。つまりこの遺伝子変異は新たな環境に適応するために生まれたものと言える。このような環境への適応性進化はまさに、現代の人種差を生んだ重要なメカニズムの1つだ。今回の研究により、1つの遺伝子変異が身体の複数の特徴に影響をもたらすことがわかった。つまり、アジア人とその他の人種の違いも数少ない遺伝子変異によりもたらされている可能性がある」との見方を示す。(編集SN)
「人民網日本語版」2013年2月18日