前漢の列侯墓園・海昏侯墓が発掘

江西省南昌市で、盗掘用の穴の発見により、保存状態が史上最も良好な前漢列侯墓園・海昏侯墓が見つかった。5年間の発掘調査を経て、墓園、陵墓、都の遺跡といった最も豊富な中身を持つ漢代の侯国集合遺跡が、人々の前に姿を現した。

前漢の海昏侯墓、9つの鼎を発見 墓の主人の身分の高さを証明

来源:人民網日本語版(2015-12-17 11:12)

  7日に初の玉(ぎょく)の杯が発見された後、発掘調査隊は江西省南昌市にある前漢の海昏侯墓の主椁室(棺をおさめた部屋)の南側で、9つの青銅の鼎を発見した。専門家によると、周王朝の時代には「天子九鼎」という言葉があったが、漢の時代になると厳守されなくなった。それでも9つの鼎の出現は、墓の主人の身分が特別であることを示している。[详细]

外国メディア記者が江西博物館「南昌西漢大墓展」を見学

来源:人民網日本語版(2015-12-14 08:36)

  「海外メディアが見る江西2015」に参加する40名の記者団は11日、江西省南昌市内に位置する江西省博物館を訪問、現在開催されている「南昌西漢大墓考古発掘展」を見学した。[详细]

南昌て_出土した西漢時代の文物

前漢の海昏侯墓、環境汚染を防ぐ照明器具が発見

来源:人民網日本語版(2015-11-17 14:22)

  2000年以上前の中国人が光の強さを調整でき、かつ燃焼による大気汚染を防止できる照明器具を開発していたことを、あなたは知っていただろうか?江西省南昌市の前漢海昏侯墓の発掘調査現場では、主墓の北藏閣から多くのさまざまな形をした青銅灯が発掘された。そのうち「雁魚灯」と呼ばれる照明器具の工芸品としての価値と、環境保護の価値が注目を集めている。[详细]

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・海昏侯墓とは?

 江西省南昌市新建区大塘坪郷にある「前漢海昏侯墓園」は、海昏侯と侯夫人の墓を核心とする大小9つの墓と馬車の副葬跡からなっており、総敷地面積は約4万平方メートルにおよぶ。中国で発見された前漢(紀元前206年-8年)時代の上層階級の墓所としては、最も保存状態が良く、構造がそのまま残り、機能がはっきりとしている。北回廊は衣笥(着物を入れる箱)庫、金庫、食料庫、楽器庫、酒器庫に、西回廊は武器庫、書庫、娯楽用品庫、東回廊は調理器具庫、南回廊甬道両側は車馬庫、甬道は楽車庫に分かれている。
5年間の発掘調査を経て、すでに2万点余りの文物が発掘されており、その文物から前漢時代の貴族の生活を再現することができ、歴史的価値と芸術的価値が非常に高い。

・盗掘を免れられた理由は?

  • 古文書によると、東晋の時代に江西で大地震が発生し、この海昏侯墓の自然の防護壁を形成した。西暦318年に豫章郡で発生した大地震により、海昏など豫章郡の県が鄱陽湖に沈んだ。海昏侯墓の墓室が崩れ、地下水に埋もれた。当時の人々が水中の墓を荒らす条件を備えていなかったことから、墓は盗掘を免れた。

・注目度が高いのはなぜ?

  • 南昌大学国学研究院の周斌・副院長によると、前漢海昏侯墓の考古学的発見は、南昌市の歴史や文化の研究だけでなく、中国の古代文化の研究においても大きな意義を持つ。現在、この墓に埋葬されているのは海昏侯の家族と関係がある人物とほぼ確定しており、前漢の第9代皇帝で初代・海昏侯の劉賀である可能性が高い。漢の時代に内部抗争などにより廃位されたため、諡号や廟号を持たない皇帝をめぐる事件は、前漢の歴史において非常に重要な意味を帯びているものの、文献資料が乏しく、はっきりしない事が多い。そのため、今回の発掘によって、多くの事件の詳細を明らかにする資料が見つかるのではと期待が高まっている。発見されている大量の簡牘(かんどく)は、中国古代の書籍をさらに校訂、理解する助けとなるほか、大量の副葬品も古代の歴史研究に証拠を提供している。