「一度の飛行機旅行の放射線量は胸部レントゲンの10倍」は誤り
インターネットでは「飛行機を1回利用した場合の放射線量は胸部レントゲンの10倍にあたる」という情報が広く流布している。こうした説に対して、特に妊婦を中心に不安を感じる人が多い。
これほどの放射線があるのだろうか。専門家によると、現在の研究では旅行時の放射線は時間単位で計算するが、一般的な医学検査では回数ごとに計算するという。普段のレントゲンでの心肺の検査は1回で約0.2msvほどだが、飛行機は一般に1時間あたり0.005msvだという。10時間利用したとしても、1回のレントゲンの放射線量には及ばない。
太陽フレアが活発になって大量の放射線量があるというような場合を除くが、こうした状況はまれだ。
飛行機乗務員が受ける放射線量は地表で暮らす人よりも多い。航空機利用客を含む一般人が1年に受ける放射線量は5 msv以下、放射線関連の従業員は50 msv以下、航空機の操縦士や乗務員は20 msv以下というのが正常な範囲と規定されている。
もし1回の航空機利用での放射線量が0.005 msvで、毎年の最高基準が5 msvとすると、1千時間利用する必要がある。しかし一般的な操縦士の年の飛行時間がやっと1千時間なのだから、一般人はとうていこのレベルには達しない。
「一度の飛行機旅行の放射線量は胸部レントゲンの10倍」は根拠のない説だと言うことができる。(編集YH)
「人民網日本語版」2013年5月21日