北京の渋滞時間、再び30分増 各渋滞緩和策を継続
北京交通発展研究センターの温慧敏・副主任はこのほど、「自動車保有量の増加に伴い、北京市内の交通渋滞は、昨年よりさらに深刻化している。今年上半期、営業日の平均渋滞時間は、昨年比30分増の1時間40分に達した。下半期の情勢はさらに厳しくなる見通しだ」と語った。人民網が伝えた。
温副主任の談話内容は以下の通り。
○悪化の一途を辿る北京の交通事情
今年上半期、北京の交通運行状況は全体的に安定していたが、渋滞が極めて深刻だった特定の日があった。上半期に北京で渋滞がひどかった日は10日あり、交通渋滞指数(*)は8.0を上回り、昨年より2日多かった。上半期の営業日の平均交通渋滞指数は5.0だった。下半期の交通運行状況は、全体的に見て、上半期より厳しくなる見通しで、予想される交通渋滞指数は6.0。また、9月と12月には、渋滞がいっそう激しくなると予想される。
○ナンバープレート抽選制・ナンバープレート末尾による通行制限措置を継続
混雑料金制の導入、今も検討段階
北京市で交通渋滞が最も深刻だったのは2007年で、交通渋滞指数は7.6に達した。翌2008年の指数は4.0あまりと、「ほぼ渋滞なし」のレベルまで改善された。2009年も4.0あまりだったが、2010年には6.1の「中度の渋滞」に再び上昇。中国政府はこの年、交通渋滞緩和に向けた28項目の新政策を発表・施行した。2011年には交通渋滞指数は4.8の「軽度の渋滞」まで下がった。
交通渋滞が起こるのは、「ナンバープレート末尾による通行制限が実施されていない営業日」「ナンバープレート末尾4と9の車両が通行を制限されている日(注:縁起担ぎから、このナンバーを選ぶ人が少ないため)」「週末」「春節(旧正月)前の帰省・旅行ラッシュ」などのケースがほとんどを占める。渋滞が深刻なこれらの日は、渋滞時間が3時間から4時間以上にも及び、交通渋滞指数が跳ね上がるだけではなく、渋滞の継続時間も長くなっている。
交通渋滞問題を管理、緩和するためには、問題解決に向けたトップダウン形式の構想を公共交通都市(公共交通の拡充によって都市発展を図る都市)に導入する必要がある。具体的には、「公共交通の整備により多額の資金を投入する」「より多くの市民が公共交通機関を利用するようPRする」などの措置を講じ、交通渋滞の緩和に務めるべきだ。
ナンバープレート抽選制やナンバープレート末尾による通行制限措置は、今までのところ、北京の交通渋滞緩和に非常に大きな作用を及ぼしており、今後も継続していく。混雑料金(渋滞料金)制の導入については、まだ検討段階にある。
*用語解説:交通渋滞指数または交通運行指数(Traffic Performance Index=TPI)
北京市が他都市に先駆けて創設した、道路網の通行状況や渋滞状況を総合的に反映させた数値で、「交通指数」と略される。交通指数は0から10までの数値で表示され、計5ランク(0-2=渋滞なし 2-4=ほぼ渋滞なし 4-6=軽度の渋滞 6-8=中度の渋滞 8-10=深刻な渋滞)に分かれている。指数が上がれば上がるほど、渋滞が深刻であることを意味している。
交通渋滞指数は、タクシー車両位置リアルタイム表示システムによる測定データを通じて車両位置情報が電子マップ上に記録された後、各道路の道路運行速度が算出され、そのデータに道路の等級や平均交通流量が加味されて得られた市内各道路の全体運行状況情報を数値化したもの。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年8月22日