北京、死因のトップは6年連続でガン 3分の1が肺ガン
2010年の北京のガン患者分布図 |
北京市が18日に発表した「2012年市民健康白書」によると、同市では、市民の死因のうち、悪性腫瘍(ガン)が6年連続で最も多いほか、結婚前に遺伝病や性病などの有無を検査する「婚前医学検査(婚検)」の受診率が低下し、欠陥のある新生児が生まれる比率が2倍に増加している。また、肥満の成年男性が増加しているだけでなく、市全体で小中学生の2割が肥満になっている。さらに、小中学生の6割がメガネをかけている。このように、同市市民の健康状態は、憂慮すべき現状となっている。北京晨報が報じた。
ガンで死亡した人の3分の1が肺ガン
同白書によると、同市市民の命を脅かしているのは、慢性疾患だ。市民の死因トップ3は2012年、ガン、心臓病、脳血管疾患で、死者総数の73.3%を占めている。うち、ガンは6年連続で死因のトップで、肺ガン31.1%、肝臓ガン10.6%、結腸・直腸・肛門ガン9.7%がガンの上位3位を占めた。
同市に戸籍を置く市民のガン発症率は、前年比0.44%増の、10万分の303.25だった。最新のデータによると、11年、新たにガンと診断された男性のうち、最も多かったのが肺ガンで、以下直腸ガン、肝臓ガン、胃ガン、前列腺ガンと続いた。一方、女性で最も多かったのは乳ガンで、以下肺ガン、結腸・直腸ガン、甲状腺ガン、子宮ガンと続いた。
同白書で紹介されている11年版の北京のガン患者分布図を見ると、ガン患者が最も多いのは豊台区で、以下昌平区、石景山区と続き、最も少ないのは延慶県となっている。一方、ガンの種類別に見ると、肺ガンは昌平区が最も多く、乳ガンは朝陽区が最も多い。
30歳以上の男性、ウエストが軒並み基準オーバー
同市で生活する18-79歳の住民の平均ウエストは12年、83.7センチで、08年比0.5センチ増となった。うち、男性の平均ウエストは88.7センチで、同比0.9センチ増だったのに対し、女性は79.6センチで同比0.1センチ減だった。
中国衛生部(衛生省)が「成人の太りすぎや肥満症を予防・抑制するためのガイド」で定義している正常なウエストは、男性85センチ以下、女性80センチ以下だ。一方、同白書のデータによると、同市の30歳以上の男性は軒並みその基準を超えている。また、女性は、40歳で79.9センチと正常値に肉薄となり、50歳になると基準を超えている。
そのほか、同市で生活する18-79歳の住民のボディマス指数(体重と身長の関係から算出される肥満度)の平均値は25.19で、中国が基準体重とする18.5-23.92を超えている。そして、男性も女性も同基準を超えており、北京市民は全体的に肥満となっている現状が浮かび上がって来る。
欠陥のある新生児が生まれる確率が2倍に
12年、同市の「婚検」受診率は7.1%と、03年に比べて92.8%も低下した。それに伴い、同年、同市の戸籍を持つ市民が欠陥のある新生児を出産する確率は96年の5%から、14.8%にまで上昇し、流動人口の同確率も26.4%にまで上昇した。
同市衛生局(省)は、結婚を予定しているカップルは「婚検」を軽視してはならないと呼びかけている。現在の政策では、同市の戸籍を持っている住民が婚姻届を出す場合、カップルのどちらかの戸籍が置かれている区・県の婚前保健機構で、「婚検」を無料で受けることができる。
小中学生の肥満は微増、メガネ使用は減少
12年、同市の小中学生の6割以上がメガネをかけ、2割以上が肥満だった。このように視力の低下や肥満が、同市の学生の健康を脅かしている。ただ、肥満の学生は少し微増だったものの、眼鏡をかけている学生の数は減少した。
同局は、「生活水準が向上し、カロリーや脂肪分、糖分の高い食品が急増した。また、バランスの悪いメニュー、体力を使う活動の減少などが原因となり、同市の青少年の肥満率が大幅に増加した。一方、近視を患う子供の年齢がますます下がっている。その主な原因は、電子機器を近い距離で見ることや運動不足、汚い手で目を触るなどの不衛生な習慣、栄養のバランスが悪いなどだ」と指摘している。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年6月19日