中国の企業家4割「強い精神的ストレス」
米経済誌フォーブスと米資産管理サービス会社ノアは28日、共同で「中国企業家幸福指数白書」を発表した。同白書によると、多くの企業家が明らかにストレスにさられていると感じており、うち4割が「強いストレスにさらされている」と答えた。中国で企業家を対象にした幸福指数をまとめた白書が発表されるのはこれが初めて。新京報が報じた。
■強い精神的ストレス感じる企業家
同白書をまとめるに当たり、同2社は半年間かけて、中国全土で企業家309人に対しアンケートを、12人対し踏み込んだインタビューをそれぞれ実施した。
同白書によると、回答した企業家の幸福水準は、2011年7.8ポイント、12年8.0ポイント、13年9.0ポイントと、年々上昇している。
しかし、4割が「大きなストレスにさらされている」、約25%が「一定のストレスがある」と答え、「基本的にストレスはない」と答えたのは26%だった。一方、ストレス原因については、50.2%が「事業」、40%以上が「責任」と答えた。
同白書は、中国の企業家は、生活に必要な基本的な物質の面では何の問題もないが、精神的ストレスを強く感じていると分析している。
■「深刻な人材不足」を感じる企業家ほとんどおらず
一方、ストレスの強さに影響する10の要素のうち、「安心感がない」が下位に並び、「深刻な人材不足」は最下位だったことは注目に値する。
ここ数年、海外に移民する中国の企業家が日に日に増加しており、中国の招商銀行などが2011年に発表した「中国私有財産報告」では、個人資産が1億元(約16億6千万円)を超える中国大陸部の企業主のうち、27%がすでに移民しており、さらに47%が移民することを検討していることが明らかになった。このような移民ブームは、企業家に安心感がないことと関係があると考えられている。
また、北京大学光華管理学院の張維迎・教授は、「社会で最も重要なのは安心感。移民ブームが起きている原因を、政府はよく考えてみるべき」と指摘したことがある。しかし、同白書では、「安心感がない」と答えた企業家は、わずか2.2%にとどまっている。
さらに、今年の春節(旧正月、今年は2月10日)明け、江蘇省や山東省、広東省など、多くの地域で人材不足が発生。うち、広東省では、不足する人材が120万人になったとするデータもある。しかし、同白書によると、「深刻な人材不足」がストレスを強める要素と答えた企業家はわずか0.4%だった。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年5月30日