ボストン爆破テロ、犯人が奪った車の所有者は中華系で命拾い
現地時間15日発生した米ボストン・マラソン連続爆破テロ事件で逮捕されたジョハル・ツァルナエフ容疑者(19)と兄のタメルラン・ツァルナエフ容疑者(26)は逃走中にドイツ製スポーツタイプ多目的車(SUV)を略奪。車の所有者は、容疑者2人が飲み物を買いに行った隙に逃げ出したという。英紙「デイリー・メール」の報道として新民晩報が伝えた。
■犯人「米国人以外は殺さない」
容疑者は18日午後10時半、マサチューセッツ工科大(MIT)学内警察勤務のショーン・コリアーさんを射殺。その約40分後に兄のタメルラン容疑者がSUVを奪い、所有者の中華系男性を助手席に乗せたまま逃走した。その後、弟のジョハル容疑者を乗せた後、2人は拳銃と銃弾をトランクに入れ引き続き逃走。兄が運転し、弟は後ろに乗っていたという。
逃走中、2人は所有者の男性から45ドル(約4500円)を奪っただけでなく、銀行の現金自動受払機(ATM)で800ドル(約8万円)を下ろさせた。その後、ガソリンスタンドに着いた時、栄養ドリンクとチョコレートを買うため、停車するよう弟が要求。2人が会話している隙に、所有者の男性は車から飛び降り、逃げたという。
この男性の名前などは明らかになっていない。同男性は「デイリー・メール」の取材に対し、「中華系だったため、殺されずにすんだ」ことを明らかにした。「米国人ではないから、殺さない」と言われたという。
■別のGSに逃げ込む
命からがら逃げ出した同男性は、その後、別のガソリンスタンドに逃げ込み助けを求めた。同ガソリンスタンドのスタッフによると、「(同男性が)『殺される。犯人は爆弾と拳銃をもっている』と叫びながら逃げ込んできた」といい、恐怖のあまり立っていることができず、地面に倒れこんだという。
同スタッフは「逃げ込んできた後、すぐに物陰に隠れたため、うそを言っていないと分かった」と語る。そして、通報してから数分で、警察が駆けつけた。
防犯カメラには、ガソリンスタンドに入るパーカー姿のジョハル容疑者が映っており、FBI(連邦捜査局)はその写真を他の調査機関や市民に公開した。そして5キロ離れたウォータータウン市内で警察が2人を発見。銃撃戦の末、タメルラン容疑者は射殺。一方のジョハル容疑者は逃走したものの、捜査員に追い詰められて潜伏していた小型ボート内で拘束された。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年4月25日