四川地震、被災者への心のケア開始 今後1年間
四川省雅安市蘆山県で20日午前8時2分(日本時間同9時2分)に発生したマグニチュード(M)7.0の大地震は、被災者の体と心に大きな傷をもたらした。そのため、中国科学院心理研究所は既に、被災者の心のケアを行うため、専門家を現地に派遣した。今後1年にわたってカウンセリングを実施する。新華網が報じた。
同研究所によると、2008年の四川大地震で被害が最も大きかった北川県に設置しているカウンセリングステーションのスタッフや北京の専門家を既に、被災地に派遣。今後、心理的介入技術を利用して負傷者の心のケアを実施する。また、被災者が健全な心理状態を保つための知識を広めることで、将来、心的外傷後ストレス障害(PTSD)を患う人を減少させる。さらに、救援に当たるスタッフに対しても心のケアを実施することで、救援の效率向上を図るほか、今回の地震特有の問題に的を絞って、中国版ツイッター「微博(ミニブログ)」などニューメディアを通して、心理サポートを実施する。
同研究所の専門家は、「今回の地震の救援、復興活動を実施する際、被災者の心理的必要を十分に考慮にいればならない」と指摘。特に、テレビやインターネット、ラジオなどで伝えられる、被害状況や援助、救援物資、政策など、政府のサポートに関連する情報は、被災者に安心感を与える重要な要素になるという。また、救援活動の過程でも、スタッフに心の自己管理を行うことを教えたり、心理的状態を観察する対策を講じたりすることで、スタッフの心のケアをし、ストレスなどが原因で人員不足に至るのを防ぎたい考えだ。地震発生後、しばらく経って、事態が落ち着いてきた時には、社会の文化的要素の構築や人とのつながりを持てるプラットホームの構築に重きを置くことで、被災者が社会の一員であると感じられる環境を整えなければならない。
同研究所は近年、08年の四川大地震だけでなく、10年の青海地震、舟曲土石流災害、11年の雲南省徳宏タイ族チンポー族自治州盈江県で発生した地震、雲南省昭通市彝良県で発生した地震などの被災地でそれぞれ、被災者らに対する心のケアを科学的かつ長期的に実施している。そして、重大な自然災害が発生した後に、どのような心理的援助が必要かについて系統立てて研究し、その応用に努めている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年4月24日