武侠小説ファン、太陽直視訓練で失明の危機 中国
「西安で、入浴中に浴室暖房乾燥機を眺めて続けていた赤ん坊が2カ月後に失明した」という情報がネット上で発信され、多くのネットユーザの関心を呼んだ。中国医大四院(中国医科大学付属第四医院)眼科医院によると、瀋陽でもこれに似た症例があったという。武術による闘いを描いた中国の時代劇アクション「武侠小説」ファンのある男性(30)が、太陽を直視するトレーニングを続けた結果、浴室暖房乾燥機を眺め続けた赤ん坊のように、視力が衰えたというのだ。東北新聞網が伝えた。
中国医大四院眼科の李洪陽医師は6日、その患者について詳しく語った。患者は30歳の男性で、「ものが見えにくくなった」と受診したという。検査の結果、正常ならば明るい色であるはずの網膜の黄斑部が黒く変色し、周辺部には血管が無数に伸びていることが判明した。30歳なのに、眼底は60歳の眼低だった。李医師によると、このまま症状が進めば、この患者の眼は40歳にならないうちに正常に機能しなくなり、さらには白内障を患う可能性もあるという。
さらに驚くべきは、彼の眼がこのような状態になった経緯だ。武侠小説の大ファンである彼は、小説を読み終わり、その中の立ち回りシーンの虜になり、挙句の果てに武功の秘術に関する研究に首を突っ込んだ。太陽を直視する練習を毎日30分続けると、眼の神経を鍛えることができることを知り、試すことにしたという。その効果は絶大だった。5日後、彼の眼はぼんやりとかすみ、病院に行く羽目になった。
医師は、「浴室暖房乾燥機のライトは非常に強い。その上、赤ん坊の角膜や結膜は大変デリケートであることから、強い光の中のブルーライトが角膜と水晶体を貫き、網膜に達する可能性が高い。赤ん坊の水晶体は、まだブルーライトを十分に吸収することができないため、長時間眺めていると、やけどの症状が発生する」と注意を呼び掛けた。この武侠小説ファンの男性の場合、紫外線が角膜を傷つけたため、角膜の広い範囲が破損した。より強烈な光線だったら、より短時間で眼をより激しく傷つけたと予想される。専門家は、「赤ん坊であれ成人であれ、強い光を長い時間眺めてはならない。そのような場合は、なるべく眼鏡で眼を保護するように」とアドバイスしている。(編集KM)
「人民網日本語版」2012年11月8日