中国、古代文献を研究する小中学校向けの教材発行
中国の人民教育出版社はこのほど、「中国伝統文化教育全国小中学実験教材」を北京で発表した。伝統文化の教材は中国初。同課題研究・新教程実験は北京や山東省、遼寧省などで既に始まっている。中国紙「瀋陽日報」が報じた。
同教材は中国教育部の国学教育特定項目研究課題グループが8年かけて制作した。同課題グループは新しい教材を通して、中国の古代文献を研究する「国学文化」を小中学校の教育に盛り込みたい考えだ。具体的には、小学校では清代(1616-1912)から伝わる道徳啓蒙用の読み物を編集した「弟子規」や南宋時代(1127-1296)の「三字経」、南朝・梁(502-557年)の漢文長詩「千字文」、清代の詩学啓蒙書「声律啓蒙」、孔子の言葉や問答を記した「論語」、儒学者・孟子の言葉を記した「孟子」など。一方、中学校では最古にして最高の兵法書といわれる「孫子の兵法」、儒教の経書「大学」、「中庸」など。高校では古文の名作集「古文観止」、思想家老子の「道?経」などだ。これら経典はすべて全文使用されている。また、お茶の文化や中国を代表する演劇・京劇など、伝統文化内容も同教材に入っている。
これらの教材は既に教育部基礎教育課程教材発展センターの認可を受けており、「2012年小中学図書館(室)が推薦する書物」にも盛り込まれている。ただ、同カリキュラムの普及には、国レベルでは伝統文化課程計画や授業時間の配置がないなど政策の面での障害があり、中国全土の小中学校の授業に大々的に組み込むことはできない。また、授業で出される問題にも、基準となる答えを設けることはできず、テストを実施することもできない。(編集KN)
「人民網日本語版」2012年11月7日