巨額の貿易赤字で「不利益を被っている」と主張する米国に中国商務部がコメント
国務院新聞弁公室は9日、「中米経済貿易関係の若干の問題に関する中国の立場」と題する白書を発表した。商務部(省)の関係責任者がこれについて記者からの質問に答えた。
【記者】米国は巨額の貿易赤字により「不利益を被っている」と主張しているが、中国の見解は?
【商務部関係責任者】中米間の物品貿易の差額は米国経済の構造的問題の必然的な結果であり、両国の比較優位と国際分業構造により決定されたものでもある。中国は意図的に黒字を追求するということはなく、実際には、中国の経常収支の黒字の国内総生産(GDP)に対する比率は2007年の9.9%から2024年は2.2%まで低下した。
中米二国間貿易のバランスが取れているかを客観的に認識し評価するには、全面的に深く考察することが必要であり、物品貿易の差額を見るだけではいけない。米国はサービス貿易において著しい優位性を備えている。中国にとっては、米国は最大のサービス貿易赤字の相手国であり、その赤字規模は全体として拡大傾向にあり、2023年は265億7000万ドル(1ドルは約146.7円)となり、米国のサービス貿易黒字総額のうち約9.5%を占めた。物品貿易、サービス貿易、そして自国企業の相手国における支社の現地での売上高の3要素を総合的に考慮すると、中米の二国間経済貿易往来の利益はおおよそ均衡している。
ここ数年、米国の対中貿易赤字の貿易全体の赤字における割合が低下する一方、米国の世界に対する赤字の規模が急速に拡大している。事実が証明しているように、対中追加関税は米国の貿易全体の赤字を縮小させられないだけでなく、むしろ米国の輸入コストの上昇を招き、赤字をさらに拡大させることになる。
輸入の積極的な拡大が、中国がハイレベルの開放を推進する上での重要な施策だ。2018年11月より、中国国際輸入博覧会(輸入博)は毎年、上海市で開催されており、出展国と意向成約額は年々増加し、成約額は累計で5000億ドルを超えている。2024年には、中国の輸入総額が前年同期比2.3%増の18兆4000億元(1元は約20.0円)となり、輸入規模の過去最高を更新し、中国は16年連続で世界2位の輸入市場の地位を維持している。中国は今後も引き続き輸入のポテンシャルを掘り起こし、中国の超大規模市場を世界が共有する大市場へと発展させ、グローバル経済の発展に新たな原動力を注入していく。
(編集KS)
「人民網日本語版」2025年4月10日
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