「撮影旅行」が中国でトレンドに 2023年の市場は約8400億円規模
甘粛省敦煌にある鳴沙山では、敦煌の壁画に描かれている天女の「飛天」になり、雲南省西双版納傣(シーサンパンナ・タイ)族自治州のナイトマーケットでは、「傣族」の衣装を身につけ、吉林省延辺朝鮮族自治州延吉市にある朝鮮族民俗園では、「朝鮮族のお姫様」に変身、そして湖南省湘西土家(トウチャ)族苗(ミャオ)族自治州の鳳凰古城では、「苗族」の女性になりきるといったように、各地の奥深い文化がつまった民族衣装を着て、メイクアップを施し、現地の美しい景色に溶け込み、素敵な姿を写真に撮影する。そんな撮影旅行が今、中国の旅行者の間で人気を集めている。
「撮影旅行」自体は、目新しいことではないものの、中国では近年、それと各地の特色ある文化を組み合わせ、服装も郷に入りては郷に従う没入型「撮影旅行」が特に人気を集めている。
山西省晋中市の観光スポット・平遥古城のある事業者は、「『撮影旅行』が、観光消費の水準を押し上げている。以前、ほとんどの観光客は、平遥古城に来ても、グリーンスローモビリティに乗ったり、入場チケットを購入したりするだけで、使うお金は100-200元(1元は約21.3円)ほどだった。でも、今は、『撮影旅行』に来る観光客がどんどん増えており、使うお金は一人当たり数百元増えた」と話す。
「2023年中国『撮影旅行』産業パノラマ分析報告」によると、2023年、中国の「撮影旅行」業界の市場規模は400億元近くにまで拡大し、その規模は今も拡大の一途をたどっている。
また、「撮影旅行」産業が発展するにつれて、それに特化したカメラマン、メイクアップアーティスト、画像修正を専門とする技術者といった新たな職業のニーズが急速に高まり、多くの雇用が創出されている。
仕事を辞めて、深セン市から新疆維吾爾(ウイグル)自治区に引っ越して、喀什(カシュガル)古城で「撮影旅行」専門店のカメラマンとなったある若者は、「2020年から2021年まで1年間にわたり滞在していたが、ここの多種多様な文化に魅力を感じた。それで、『撮影旅行』専門店を開くことにした」と話す。
「90後(1990年代生まれ)」の女性・梁萍さんは、延吉市で「撮影旅行」が爆発的人気になっているというのを知って、早速行動し、そこに引っ越した。それから約1年の間に、家で子供の世話をしていた彼女は今や月収1万元以上のメイクアップアーティストになっており、サクセスストーリーを実現した。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年7月26日
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