池坊北京華月学会春季花展「霞の衣」が北京で開催
池坊北京華月スタディグループ代表の堀江さんの作品(撮影・玄番登史江)。
華道家元池坊北京華月学会春季花展が4月13日から15日まで北京市で開催された。北京華月スタディグループの3つの教室による今回の花展のテーマは俳句の季語から取った「霞の衣」。桜や新緑で覆い尽くされた山が遠くから霞んで見え、霞の衣を纏っているように見えるイメージを表現。同教室の生徒自らが描いたというポスターにも、霞がかった桜の枝がデザインされていた。人民網が伝えた。
開幕式で挨拶する在中国日本国大使館の金杉憲治大使(撮影・玄番登史江)。
13日午前に行われた開幕式には在中国日本国大使館の金杉憲治大使と国際交流基金北京日本文化センターの野田昭彦所長が出席し、挨拶を行った。金杉大使は挨拶の中で、「日本の伝統文化がこのような形で紹介されることは喜ばしく、大使館としても日中の民間交流や文化交流をより一層活発に行うことができるよう今後もできる限り支援していきたい」とした。
展示作品(撮影・玄番登史江)。
会場では立花や生花、自由花といった様式の異なる作品計43点を展示。なかでもユニークだったのは、書道と組み合わせた3点の作品。これは華道における「真・行・草」という「型」の作品と、書道の「真書(楷書)、行書、草書」を一緒に展示しており、全く同じ花材を使った3通りのいけ方の違いを直観的に理解できる作品となっている。最初見た時は、葉だけを使ったシンプルな作品にそれほど興味をひかれなかったものの、解説を聞いてからもう一度見ると、なるほどそれぞれの葉の広がり方と背景の書体とのコラボレーションがなんとも趣深い。ちなみにこの書道作品も生徒自身の作品というから驚きだ。
3通りのいけ方と書体の違いを直観的に理解できる作品(撮影・玄番登史江)。
池坊北京華月スタディグループ代表の堀江森花さんによると、現在、教室の生徒のほとんどが中国人だという。日本の華道が中国人の生徒を惹きつける点について堀江代表は、「花に向かっている時に花と自分しか存在しなくなる一種の瞑想の状態や、削っていく、際を追求していく面白さだと思う」としている。また日本人生徒の梶本さんは一緒に学ぶ中国人の生徒について、「私自身は趣味の1つとして気楽な気持ちで習っていたが、中国の生徒さんはとにかくとても真面目。それと発想力がとても豊かで、その発想の柔軟さに驚かされることがたびたびある」とした。
体験教室の様子(撮影・玄番登史江)。
会場では体験教室も行われ、毎回満席の賑わいを見せていた。参加したある女性は、「いけばなを体験することで、単に花をいけることだけではなく、物事の進め方や人生の理を感じることができたと思う」と初めてのいけばな体験を楽しんでいた(文・玄番登史江)。
「人民網日本語版」2024年4月15日
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