「花」を飾るのが多くの人の生活の一部に 「春」を持ち帰る中国の若者
安徽省合肥市の花屋で花を買う女性(3月23日撮影・張強)。
90後(1990年代生まれ)の女性・倪想南さんにとって、忙しい毎日を送る中で、素敵な空間やセレモニー感をもたらしてくれるのが花で、花を買うというのが暮らしの一部になっているという。そんな倪さんは、「決まった時間や決まった店で買うのではなく、仕事帰りの帰宅途中や、公園を散歩している時、街をぶらぶらしている時などに、気に入った花を見かけたら買っている。たくさん買うのではなく、せいぜい数本程度。それなら持ち帰って飾るのも手入れするのも楽だから」と話す。中国新聞網が報じた。
自分のために花を買うのは女性だけとは限らない。「00後(2000年以降生まれ)」の男性・張凱さんは週末に、無人販売の花屋でヒマワリを数本選び、QRコードをスキャンして料金を支払っていた。そして笑顔を浮かべながら、「男性だって自分をいたわらないと。新しく手に入れた家の内装工事も終わったばかりだから、家の中の雰囲気をもっとよくしたくて」としていた。
関連のオンラインプラットフォームのデータによると、3月以来、花や鳥などを扱う店が並ぶ「花・鳥市場」関連のレビュー数が前月比で90%増以上、お勧めなどを紹介する書き込み数が120%増以上に達し、検索の主力軍は20-35歳の若者となっている。検索の増加幅が最も大きいのは上海市や湖北省武漢市、浙江省杭州市といった都市で、花・鳥市場の検索回数が前月比でいずれも400%増となり、花・鳥市場が春のお出かけスポットとしてネットで人気になっている。
安徽省合肥市の裕豊花・鳥・魚・虫市場で、露店で売る花を選ぶ「Z世代」の女性・詹銀銀さん。ライブ配信パーソナリティーや友人と茶室を経営する詹さんは副業として花売りをしており、月に数千元の利益が出る場合もあるという(3月23日撮影・張強)。
安徽大学社会学科の王雲飛准教授は、「若者は習慣的に花を買うことで、ストレスを緩和し、楽しく暮らしたいという思いを表している。それは小さなことであるものの、若者たちが自分の心の世界に関心を払っているということで、精神的に豊かな生活を求める能力を備えていることを示している」との見方を示す。
春になり暖かくなるにつれて、花市場が活況を迎えている。中国の若者は今、花を買うことで、「春」を家に持ち帰っている。中国では、これまで祝祭日のセレモニー感を盛り上げるために花を買うという人が多かったものの、今では「自分へのご褒美」のために花を買う若者が増えている。(編集KN)
「人民網日本語版」2024年3月27日
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