中国、砂漠の奥地で初の1万m科学調査井を掘削
人民網日本語版 2024年03月05日13:18
4日午後2時48分、ダイヤモンドドリルビットが地下岩層を掘削する中、中国石油天然ガス集団有限公司塔里木(タリム)油田前方指揮部のディスプレイの数字が瞬く間に「10000.00」に到達した。中国初の1万m深地科学調査井が正式に1万mの大台を突破した。これは深宇宙及び深海における大自然探査の快挙に続き、中国の深地分野における重要なブレイクスルーを遂げたことを示している。新華社が伝えた。
3日に新疆維吾爾(ウイグル)自治区の塔克拉瑪干(タクラマカン)砂漠で撮影された「深地塔科1井」(ドローンで撮影)。撮影・李響
この井は「深地塔科1井」と命名され、設計深度は1万1100m。2023年5月30日の掘削開始以降、数百人の作業員と科学技術者が砂漠の奥地に張り付き、270日以上連続で働き続け、高温、極寒、風砂、複雑な地質状況などの数々の挑戦を乗り越えた。
中国工程院の孫金声院士によると、深地掘削の難易度は月探査に匹敵する。数ヶ月連続の掘進を経て、ドリルビットが地下1万mの地層に迫ると、設備は200℃以上の高温、130メガパスカル以上の高圧にさらされる。「1万mを超えると制御の難易度が非常に高く、1台の大型トラックが2本の細いワイヤーの上を走行するような状況になる」。
3日、「深地塔科1井」で、顕微鏡を使い地底の奥深くから採取された岩屑を研究する科学研究者。撮影・李響
中国科学院の賈承造院士は、「深地塔科1井は1万m突破後、世界の陸上2位、アジア1位の垂直深井になり、深地科学研究及び超深層油ガス探査分野で画期的な意義を持つ」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年3月5日
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