「5G+AI」技術によるスマート医療で末端医療機関を支援 海南省
これまで、海南省の農村部では、病気になった住民が病院を受診するには、多くの手順を踏む必要があった。最初に受診するのは、自宅から最も近い村の診療室だ。だが、やや複雑なケースになると町の医療機関に行く必要があり、場合によっては県、市、省級の病院にまで足を運ばなければならなかった。手間をかけて行き来するたびに、体力を消耗し、病状が悪化することさえあった。
しかし、今では5Gがあるため、状況が大きく変わった。
海南省東方市感城鎮感北村に住む麦さんはこのほど、村の診療室で診察を受けた。村医の陳志輝医師が「スマート医療一体機」を使用して一連の検査を行い、5Gネットワークと遠隔医療プラットフォームを通じて、大きな病院とつなぎ、リアルタイムで診断を実施した。小さな診療室が「5G+スマート診療室」へとアップグレードされたことで、医療サービスの能力が全面的に向上した。町の診療所の医師は、5G診療キットを携帯して、僻地の住民に訪問診療を行うこともできる。
5G・AI(人工知能)技術を支えに、海南省は省・市・県の医療資源を末端レベルにも提供。全省の19の市・県級病院、340余りの町の診療所や農場病院、2700余りの村の診療室に、5Gネットワークに対応する携帯式の超音波検査や眼底カメラなどの機器を配備した。これらは、慢性疾患フォローアップデータの自動収集、総合診療医のスキルトレーニング、AIによる診断支援、遠隔診療などの機能を備える。
海南省衛生健康委員会によると、すでに海南省は階層型5G遠隔診療支援システムを構築。省内の6つの「三級甲等病院」(病床数500床以上、技術水準・医療水準・管理水準が1000点満点中900点以上の病院)と解放軍総病院海南病院を拠点に、画像、病理、超音波、胎児心音、眼科、心電図、難症例・複雑症例の7つの診断センターを設立し、CT・病理診断を県病院、超音波・DR・眼科診断を町の診療所、心電図・胎児心音モニタリングを村の診療室で行える5G遠隔診療支援システムを構築した。さらに、AI診断支援システムと組み合わせることで、省内の末端医療機関の診療業務を総合的にサポートしている。
2023年末の時点で、省内の郷・村級医療機関の5G機器使用回数は累計200万回以上に達したという。(編集NA)
「人民網日本語版」2024年1月26日
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