殺菌装置を搭載する壁画保護ロボットがお披露目
人民網日本語版 2024年01月09日10:21
中国航天科技集団が8日、同集団第五研究院529工場が開発した壁画の殺菌が可能なロボットがこのほど、中国第1回文化財保護技術設備応用展でお披露目されたと明らかにした。科技日報が伝えた。
同ロボットは高エネルギー電子ビーム照射殺菌装置を搭載できる移動可能な殺菌設備だ。各殺菌エリアをフレキシブルに行き来でき、ロボットアームにより末端の上下運動と上向き・下向きを実現した。文化財の安全を保護する前提で、壁画全体の死角を残さない殺菌を行い、有害微生物に逃げ場を与えない。
壁画は大まかに石窟壁画、墓葬壁画、寺観壁画に分かれる。墓葬壁画は常に地下に深く埋まっていることから、大量の微生物が高湿度環境で増殖し、壁画の退化を早める上、墓室空間は一般的に狭く、整理と保護の際に慎重さが欠ければ壁画の二次障害を引き起こすことがあるため、保護の難易度が極めて高い。
2020年、敦煌研究院は筆頭となり、国家重点プロジェクトの一つである「墓葬壁画の現地保護の重要技術の研究」を立ち上げた。第五研究院529工場は要請を受けて高エネルギー電子ビーム照射殺菌装置を搭載できる移動可能な殺菌設備の開発を引き受けた。開発チームは壁画本体が脆弱で、墓室に通じる通路が狭く、丸天井の構造が複雑で、地下の湿度が高く、地面が凸凹しているといった応用環境の難題を克服し、開発任務を無事遂行し、移動可能なロボット設備開発技術の文化財保護、スマート検査、殺菌分野での拡張応用を実現した。(編集YF)
「人民網日本語版」2024年1月9日
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