高速鉄道が家の近くまで!中国全土で鉄道が次々開通へ
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中国の高原地域で高速鉄道が次々と開通を迎えている。雲南省麗江市と迪慶蔵(デチェン・チベット)族自治州の香格里拉(シャングリラ)市を結ぶ「麗香鉄道」や、四川省成都市と青海省西寧市を結ぶ「川青鉄道」の四川第一区間が11月末に開通し、迪慶蔵族自治州や四川省阿壩蔵(アバ・チベット)族羌(チャン)族の鉄道のない歴史に幕が下りた。人民日報が報じた。
高速鉄道は空港とも連結するようになっている。天津市と北京市の大興国際空港を結ぶ「津興都市間鉄道」の試験運行がこのほど始まり、年内には正式に開通する予定だ。開通後、北京大興空港から高速列車に乗って、直接天津に向かうことができるようになり、「レール上の北京市・天津市・河北省」に新たな1ページが刻まれることになる。
また年末が近づき、中国全土で建設中の鉄道が次々完成し、開通している。江西省南昌市と景徳鎮市、安徽省黄山市を結ぶ「昌景黄高速鉄道」も間もなく開通する計画で、開通後、浙江省杭州市と安徽省黄山市、江西省南昌市を結ぶ「杭昌高速鉄道」が全線開通することになる。さらに広西壮(チワン)族自治区防城港市と東興市を結ぶ鉄道も試験運行が今月2日に始まり、中国とベトナムの国境都市である東興市が「中国の鉄道網」に組み込まれることになる。
特に中国西部エリアは、複雑な地質が鉄道建設の高いハードルとなってきた。しかし、今年に入り、貴州省貴陽市と広西壮族自治区南寧市を結ぶ貴南高速鉄道や川青鉄道、麗香鉄道、四川省成都市と自貢市、宜賓市を結ぶ「成自宜高速鉄道」といった鉄道プロジェクトが新たな進展を遂げ、西部エリアの鉄道建設は一気に加速している。統計によると、1月から10月の期間、重慶市や四川省、貴州省で建設中の鉄道プロジェクトの固定資産投資額は前年同期比20.23%増の844億6000万元(1元は約20.6円)に達した。
西部エリアのハードルはどれほど高いのだろうか?川青鉄道は、成都市の平原から青蔵(チベット)高原を通過し、途中に断層破砕帯が11ヶ所あるため、設計機関は、「国内で最も建設難度が高い鉄道の一つ」としている。中鉄十二局のチーフエンジニア・王暁光氏は、「榴桐寨トンネルは、私が建設に関与したトンネルで最も難度の高いトンネルだった。全長16.4キロで、列車はわずか5分で通過するものの、建設には10年かかった」としている。
では、それほどの困難を乗り越えることにはどんな意義あるのだろうか?王氏は、「工事は、2歩進んで、1歩後退するという状況だった。でも、あきらめることなく工事を続けなければ、西部エリアと他の地域を繋げる高速鉄道を完成させることはできなかった」と語る。川青鉄道開通前日、四川省茂県に住む劉永明さん(67)は、広州市に住む娘に、「高速列車が家の近くを走るようになった。今年の春節(旧正月)は、家族みんなで必ず帰ってきて」とメッセージを送った。
中国の鉄道への投資が増加するにつれて、世界最大の高速鉄道網の密度がどんどん高くなっている。黒竜江省では、中国最北の高速鉄道である、哈爾浜(ハルビン)と伊春市を結ぶ「哈伊高速鉄道」の建設が新たな進展を遂げ、建設中の中国最北端の高速鉄道駅「伊春西駅」の屋根が完成した。広東省では、広東省汕頭市と汕尾市を結ぶ「汕汕高速鉄道」の汕尾-汕頭南区間で、11月25日に試験運行が始まり、開通までカウントダウンモードに突入している。陝西省では、注目を集めている延安市と楡林市を結ぶ高速鉄道の建設が始まった。
統計によると、1月から11月までの期間、中国全土で新たなに開通した鉄道の総延長は1636キロで、うち1488キロが高速鉄道となっている。11月末の時点で、中国全土の鉄道の総延長は15万5500キロで、うち4万3700キロが高速鉄道となっている。
1-10月期、中国全土の鉄道による貨物輸送量は前年同期比0.7%増の合わせて41億7200万トン、旅客は同比119%増の延べ32億8500万人に達した。各鉄道が「流動する中国」にさらなる活力を注入している。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年12月6日
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