香港・澳門特区から中国大陸部へ車で移動がブームに 100万台が通関
港珠澳大橋を走行する車(撮影・黄国保)。
11月の広東省珠海市には、海辺のヤシの木がそよ風に吹かれ、美しい景色が広がる。港珠澳大橋(香港・珠海・澳門<マカオ>大橋)の珠海公路通関地では、香港特別行政区や澳門(マカオ)特別行政区からやって来た車が次々と中国大陸部へと入境し、「越境の旅」をスタートさせている。人民日報海外版が報じた。
珠海市の拱北税関によると、今年1月1日から澳門特区の住民が自家用車で広東省に移動できる「澳車北上」の実施が、7月1日からは香港特区の住民が自家用車で広東省に移動できる「港車北上」の実施が始まり、11月1日の時点で、拱北税関に所属する港珠澳大橋税関から出入境した香港特区と澳門特区ナンバーの車は100万台を超えた。このように香港・澳門特区の住民が車で中国大陸部へと移動するというのが今、新たなブームとなりつつある。
香港特区から車で広東省にやって来た陳斌さんは、「休日出勤が無い限り、週末はいつも家族と一緒に大陸部に来ている。広東省中山市に住んでいる親せきに会いにいったこともあるし、江門市に行って開平楼閣を見たり、ご当地グルメを楽しんだりした。毎回、充実した週末を過ごせている。週末に、粤港澳大湾区(広州、仏山、肇慶、深セン、東莞、恵州、珠海、中山、江門の9市と香港、澳門<マカオ>両特別行政区によって構成される都市クラスター)の大陸部側の都市に行くことが、自分も家族も多くなった」と話す。
澳門特区から広東省に来たという劉毅さんは、「中国大陸部に行って、旅行したり、商談したりするほか、港珠澳大橋を渡るだけでも楽しい旅となる。車を運転していると、海の上をくねくねと長く伸びる橋と夕陽のコラボレーションを見ることもよくあり、とてもロマンチックで圧巻の景色」と語る。
また、車で大陸部に入ってから、近場となる珠江デルタ地域だけでなく、広東省西部や北部へと足を延ばす香港・澳門特区の住民も多い。広東省北部にある清遠古竜峡景勝地の職員は取材に対して、「ここ数ヶ月、入口では香港・澳門特区のナンバーの車をよく見かける。香港・澳門特区から観光客が車でよく遊びに来るようになった」と話した。
港珠澳大橋が正式に開通して以来、各種通行政策が次々と打ち出され、大橋は通行する車両で賑わい、粤港澳大湾区「相互接続」の成果が目に見えて現れている。
統計によると、開通から5年の間に、港珠澳大橋を利用した人の数は延べ3600万人、通行した車両は750万台、通関地の輸出入総額は7187億5000万元(1元は約20.7円)に達している。今年だけを見ると、港珠澳大橋から出入境した人の数は延べ1150万人と、2019年同期比6%増となった。また、出入境した車の数は延べ235万台と、2019年同期比で3.6倍となっている。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年11月9日
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