ペットを連れて旅行が中国の若者の間で人気に
観光客約30人と、イヌ22匹を乗せたバスがこのほど、北京から河北省張家口市崇礼区に向かって出発した。このように、ペットと一緒に旅行に行くというのが現在、中国の若者の間でも新たなレクリエーションのスタイルとして人気となっている。関連機関の統計によると、中国のペット産業・経済は数億元(1元は約20.2円)規模にまで拡大している。若者にとって、ペットは単に飼育し、気晴らししたい時に寄り添ってくれる存在にとどまらず、一緒に旅行や交流の場に行く「相棒」にもなっている。北京青年報が報じた。
イヌと一緒に旅行を楽しむ女性。
同ツアーの企画者である桃子さんのスケジュールに従って、参加者はイヌを連れて、涼しい風が吹く大自然を体験した。当日、午後には崇礼に到着し、シャトルカートで山頂に行った後、ゆっくりと山道を散歩。そして、ホテルで一泊し、翌日には太舞小鎮に向かい、ケーブルカーで山頂に行き、そこから崇礼を眺めた。
出発前には「面接」も
崇礼へ向かうバスの中で、吠え続けるイヌは1匹もいなかった。これは、桃子さんがツアーを企画して参加者を募る際に、前提条件としているからだ。桃子さんは、「他のイヌを見て吠えるようなイヌは、気性が荒いか、社交性が低いかのどちらか。そのようなイヌは旅行に連れていくのにはむいていない」と話す。
出発前に、参加するイヌは「面接」という重要なプロセスをクリアしなければならない。参加するイヌはやたらと吠えないだけなく、自分の感情や行動をコントロールできなければならず、他のイヌを見ても、寄って行って嚙みついたり、じゃれたりしてはいけない。
ペットと一緒に行く旅行において最大の課題は、宿泊するホテル探しだ。桃子さんとすでに提携しているホテルは、イヌを連れて宿泊することに同意している。桃子さんは、「ホテルは、イヌが嫌いなのではなく、イヌが宿泊することで増える仕事を嫌がっている。そのため、飼い主がするべきことをして、ホテルの経営者が心配していることを解消できれば、イヌを連れて宿泊することに同意してくれるホテルはたくさんある」とする。
若者たちの新たな社交の場に
「ペットと一緒に旅行」が近年、中国の若者の間で人気となっている。事前にネットを使ってペットと一緒に行くことができる場所を調べておくという人もいれば、ペット同伴旅行ツアーに参加する人もいる。
ペットの飼い主にとっては、ペットを旅行に連れていくことで、何よりも旅行中にペットの面倒を見る人がいないという問題を解決することができる。ペットを連れて何度も旅行に行っているという女性・姚さんは、「自分だけで旅行に行くとなると、飼っているイヌは、友達かペットショップに預けなければならない。そうすると、ストレス反応が出て、何も飲まず、食べないということもある。それに、元気もなくなるので、旅行中ずっと気になる。それで、イヌを連れて行くようになり、安心して旅行できるようになった」と話す。
またペット同伴旅行ツアーへの参加は、飼い主やイヌにとって、交流の輪を広げることができるというのも大きな収穫となる。こうしたツアーにイヌを連れて何度も参加しているネットユーザーの晶晶さんは、それを実感しており、「本当に気晴らしになるし、イヌ好きの友達もたくさんできるので、友達の輪が広がる。それに、こうしたツアーに参加するようになって、うちのイヌが以前よりも性格が良くなり、言うこともよく聞くようになったというのも重要なポイント。私との関係もよくなっただけでなく、知らない人や他のイヌに対してもフレンドリーになった」と話す。
桃子さんは、「ツアーを企画し始めた当初、今ほど参加者は多くなかった。でも今は、30人から40人のツアーを企画すると、数日で定員に達する。100人から200人の大きなイベントでも、簡単に定員に達する。つまり、ペット同伴の屋外交流という市場は大きなポテンシャルを秘めている」とした。 (編集KN)
「人民網日本語版」2023年9月6日
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