「ドーパミン」の次は「メイラード」?中国の今年の秋冬ファッション
朝晩が涼しくなる秋を迎えた中国では、ブラウンオレンジ系のカラーを取り入れたコーディネートが流行し、「メイラード」ファッションと呼ばれるようになっている。今年の夏、中国では、幸福感を高めてくれる鮮やかな色合いのコーディネート「ドーパミン・ドレッシング」が話題となったが、その熱がまだ冷めやまぬ中、秋冬ファッションとして「メイラード」カラーが人気となっているのはなぜなのだろうか?揚子晩報が報じた。
「メイラード」とは通常、「褐変反応」とも呼ばれる「メイラード反応」のことを指す。「メイラード反応」は、アミノ酸などのアミノ化合物と、還元糖(ブドウ糖、果糖、乳糖など)などのカルボニル化合物による化学反応で、加熱によって促進される。この反応の結果、褐色物質「メラノイジン」が生成される。
メイラード反応は、食品によく見られる。例えば、ステーキの表面についている茶色い焼き目や、砂糖を加熱するとできるキャラメルは、「メイラード反応」によるものだ。こうした直観的な現象の名前を基に、ブラウンオレンジ系の服を取り入れることを「メイラード」テイストと呼ばれるようになった。
夏に流行した「ドーパミン・ドレッシング」とは全く異なり、メイラードファッションでは、地味なブラウン系の色が取り入れられている。では、秋や冬になると、ブラウン系の色が好まれるようになるのはなぜなのだろうか?
色彩心理学研究家である南京体育学院体育教育・人文学院の張騰霄准教授は取材に対して、「コーディネートという観点から見ると、ブラウンオレンジに含まれる色はイエロー調の周りで明るさと飽和度が変化して得られた色であるため、その色の組み合わせはとても相性がいい。こうした色の服を組み合わせると、少なくとも見る人は好感を抱きやすい」と説明する。
また、秋や冬になると、自然の景観も全体的にブラウン系に変わり、こうした色の服を着ると、周りの景色に溶け込むことができる。張准教授は、「自然界で生まれた色を組み合わせると美しいというのが、カラーコーディネートにおいて間違いなくはっきりとわかりやすい法則の一つ。『メイラード』ファッションはまさにその法則を踏襲しており、自然に溶け込むことで人は楽しい気持ちになれる」としている。
また張准教授は、「色というのは、人の感情に直接影響を与え、確かにほっこりとした気持ちも得られる。例えば、『寒色』、『暖色』とよく言うが、冬の寒い時に、『暖色』を見ると、人は温かみを感じる。一方、夏に『寒色』を見ると、涼しさを感じる」としている。
メイラードカラーを見ると、多くの人が果実や紅葉を連想し、素敵な想像をしたり、ほっこりとした気持ちになったりすることができるという。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年9月6日
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