中国のロボット産業、ミドル・ハイクラスへ前進

人民網日本語版 2023年08月30日09:15

このほど北京市で行われた世界ロボット大会2023のロボット博覧会では、最新の成果が続々と登場し、ロボットの先端技術及び産業発展を観察する重要な窓口になった。人民日報が伝えた。

工業・情報化部(省)の統計データによると、産業用ロボットは現在、国民経済の60の業界大類、168の業界中類をカバーしている。中国は9年連続で世界最大の産業用ロボット使用国になっている。中国の産業用ロボット生産台数は2022年、前年比20%以上増の44万3000セットに達し、使用台数の割合が世界の50%を超えた。

調査によると、中国のロボット産業の基礎能力は近年大幅に向上し、ミドル・ハイクラスに前進する傾向を示している。一部の技術と応用はすでに世界トップレベルになっている。

瀋陽新松ロボット自動車スポット溶接作業ステーションで、4台の産業用ロボットがロボットアームを動かし、白い自動車フレームのスポット溶接を行っていた。

「自動車溶接ラインの工程が詰まっており、技術の難易度が高い。複数の溶接ロボットによる正確で効率的な、故障ゼロの安定稼働が必要だ。業界の壁が高いことから、自動車スポット溶接は長期間にわたり海外のロボット企業に独占されていた」。瀋陽新松ロボット自動化股份有限公司の業界マネージャーの馬騁氏は取材に、「当社が独自に開発した制御・ソフトウェアシステムにより、当社のスポット溶接の効果と効率が業界トップ水準に達した。現在すでに100台近くのスポット溶接ロボットが、中国の複数の自動車完成機生産メーカーで導入されている」と述べた。

「当社のロボットは掴む力を制御でき、すでに月餅の生産や生鮮食品の加工など複数の業界で導入されている」。北京軟体ロボット科技有限公司の展示ブースで、職員が来場者に製品の注目ポイントを説明していた。

従来的なロボットの大半は吸盤やシリンダーなどで物体を掴み取っていたが、これらの取付具は形が異なるまたは壊れやすい商品の仕分けと包装の需要を満たせなかった。同社はエラストマー材料技術に基づきロボット構造の設計を改良し、柔軟性物体の安全で損傷の生じない掴み取りや搬送などの難題を解決し、より多くのシーンでのロボット導入を推進した。

中国電子学会政策研究・国際協力センターの王桓主任は、「ロボット本体から部品や集積応用へと、中国のロボット産業チェーンが大まかに形成された。中国は製造業の規模が大きく、種類が揃っている。製造強国の建設の加速でロボット産業発展の明るい見通しがあり、今後の発展に期待できる」と述べた。(編集YF)

「人民網日本語版」2023年8月30日

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