2800年前の「幸運の錦鯉」はどんな感じ?
人民網日本語版 2023年08月28日14:35
中国の国宝文化財において、古代の酒器「尊」は珍しくないものの、鯉の形をした尊は極めて珍しい。約2800年前の西周の時代に作られたこの鯉の形の尊は、中国で初めて発見された立体的な鯉の形の青銅器だ。これは祭器ではなく、食事の時に使われていた酒器となっている。鯉の体内は空洞になっており、背びれの部分にある長方形の注ぎ口から酒を注ぎ入れ、酒杯には鯉の口から注ぐデザインとなっている。
西周時代の鯉の形をした「尊」(宝鶏青銅器博物院所蔵)
重要な芸術的文様の一つである魚模様は新石器時代の文化財にまで遡ることができる。魚模様が描かれた青銅器が最も多いのは殷代後期だが、その数はそれほど多くない。最盛期を迎えたのは前漢の時代で、水洗器に描かれているケースが多い。中国では、「魚」と同じ音である「余」の意味にかけて、毎年余裕のある暮らしを送りたいという願いを込めた「年年有余」、鯉の滝登りを意味する「鯉魚躍龍門」など、魚に様々な思いを込める伝統が発展しながら今日まで伝えられてきた。そして、ここ数年では錦鯉が強運の持ち主という意味合いで使われるようになっており、「錦鯉のステッカーを転送すると、好運がやってくる」と、多くの人が錦鯉に素晴らしい暮らしをしたいという願いを込めるようになっている。(編集KN)
中国の文化財は語る
博物館は人類文明を保護し、伝承する重要な場。博物館に所蔵されている文化財は埃をかぶった骨董品ではなく、いずれも民族の生きてきた証となる生きた伝承だ。「中国の文化財は語る」では毎回博物館に所蔵されている文化財の紹介を通じて、文化財に込められた中国の文化と精神について紹介していく。
「人民網日本語版」2023年8月28日
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