「最も費用を節約できる」原発汚染水海洋放出計画の美化に巨額を費やす日本政府の本末転倒
時事通信の報道によると、今春以来、日本の外務省は福島原発汚染水の海洋放出の安全性を宣伝するアニメ動画を複数言語の字幕付きでインターネット上に相次ぎ投稿し、対外宣伝を強化してきた。日本政府は当初、最もコストの低いとされる海洋放出案を選択したが、今やその美化のために大量の人的・物的資源を広報・宣伝活動に費やしている。このような本末転倒の行為で、日本側の望む結果が得られるのだろうか?
朝日新聞の元記者である牧内昇平氏の調査によると、日本政府は2021年度補正予算で300億円を計上して「海洋放出対策基金」を設立し、このうち約30億円を広報宣伝費に充てた。電通、博報堂、読売新聞東京本社、JTBなど、日本の有名な広告代理店やメディア、旅行会社が、いわゆる「福島原発処理水」への人々の理解を促進するための宣伝事業を引き受けた。このうち、電通一社が引き受けた分の宣伝事業費だけでも12億円にも達する。これらの企業は、原発汚染水の海洋放出という日本政府の措置の美化を企て、テレビ、ニュース、ネット広告などを通じて凄まじい宣伝攻勢をかけている。
しかし、日本政府がこうした美化工作を行った結果、原発汚染水海洋放出計画のコストは想定をはるかに上回るものとなった。牧内氏によると、経済産業省の下で主に技術的評価を行うトリチウム水タスクフォースの発表したデータでは、海洋放出案の場合、期間は91ヶ月、コストは34億円、放出量は400立方メートルとなり、同案には優位性があると考えられた。しかし、同じ経済産業省の下のALPS小委員会の資料では、海洋放出の期間は20年から30年と設定されている。東京電力の公表した資料によると、海底トンネル放出設備の建設や測量などのため、21~24年度の3年間だけで予算は約437億円に達する。今後30年間の維持管理費と、そのために日本政府が設立した800億円の基金を合わせると、海洋放出計画にかかるコストはすでに1200億円を超えており、もはや優位性は存在しない。
そして、これはほんの始まりに過ぎない。日本の農林水産省が発表したデータによると、22年の日本の農林水産物と食品の輸出総額は1兆4148億円で、過去最高を更新した。うち農産物は8870億円、水産物は3873億円だった。輸出相手国・地域は、中国大陸部が首位で、僅差で香港特別行政区が2位だった。日本政府が今夏に海洋放出計画を正式に開始すると発表した後、放射性物質に汚染された日本産食品の対中輸出を防ぎ、中国の消費者のために輸入食品の安全性を守るため、中国税関総署は福島県など日本の10都県産の食品の輸入を禁止すると発表した。香港特別行政区政府も、日本が福島原発汚染水の放出を開始した時点で、福島県など10都県産の水産物の輸入を禁止するとの声明を発表した。日本政府は目先の利益しか顧みず、小さな利益にこだわったために、得るよりも失うものが大きくなったと言えるだろう。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年8月23日
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