【経済観察】中国の貿易の強靭性はどれほどか
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中国の貿易への圧力は日増しに高まっている。1-7月期の中国の輸出入総額は前年同期比0.4%の微増、このうち7月は8.3%の減少となった。
■圧力の根本的原因は?
外需低迷が中国の貿易が直面する主要な圧力だ。中国商務部(商務省)国際貿易経済協力研究院学術委員会の張建平副主任は「現在、外需の全般的な低迷により、主要な各エコノミーの輸出は、程度の差こそあれ、いずれも圧力を受けている。例えば、世界の経済・貿易の 『カナリア』と称される韓国は、7月の輸出額の下げ幅が16.5%に達した。ドイツの6月の輸出額は前月比わずか0.1%の増加だった。経済的要因だけでなく、非経済的要因による妨害も強まっている」と指摘する。
中国商務部(商務省)対外貿易司(局)の李興乾司長によると、特定の国が貿易問題を政治化しているために、受注や生産能力の国外移転を余儀なくされている企業がある。公式統計では、1-7月期の中国の対米輸出額は前年同期比で13%減少した。
■強靭性はまだどれほどあるか
シティバンク・グレーターチャイナの余向栄チーフエコノミストによると、中国の貿易の強靭性は、貿易ネットワークの多様化と製品構造の多様化の双方に由来する。現在、ASEAN、「一帯一路」(the Belt and Road)沿線諸国、地域的な包括的経済連携(RCEP)協定加盟国への中国の輸出はいずれも好調を維持しており、これは輸出の下振れ圧力に対抗する能力の強化において非常に重要だ。
また、中国の産業チェーンの高度化と輸出構造の最適化も着実に進んでいる。公式統計では、中国の自動車輸出量が上半期に日本を上回って世界首位になったのに続き、1-7月期の自動車輸出額も前年同期比で118.5%増加した。
貿易の「安定化装置」である中国の民間企業も、1-7月期の輸出入額が前年同期比で6.7%増加し、このうちの輸出は同7.3%増加した。これらはいずれも、同期の中国の輸出全体の実績を大きく上回っている。この点も、貿易の強靭性が高まっていることを示している。(編集NA)
「人民網日本語版」2023年8月10日
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