通院に付き添って月収1万元超? 「臨時の家族」が人気の新職業に
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子どもが近くにいない高齢者や一人暮らしの若者が増え続ける中、一人ではなかなか病院に行けないことが増えてきた。これを背景に、通院に付き添う人を雇うのが、多くの人にとって硬直的需要になり、「通院付き添い師」という新職業が大都市で静かなブームになっている。通院付き添い師は患者に代わって受付番号を受け取る、診察に付き添う、医師とやりとりする、会計をする、薬をもらうといったことから、別の都市での診察に付き添うことまで、通院に関わるほぼすべてのことをサポートしてくれる。
武漢市の「90後(1990年代生まれ)」の通院付き添い師・章章さんによると、この仕事は主に病院での各種手続きの代行と診察への付き添いを行い、基本的に1日あたり600-800元(1元は約19.9円、約1万2000円-1万6000円)の収入がある。現在、昼間は依頼主の診察に付き添ってあちこち奔走し、夜は心理学や医療サービスに関する本を読んだり、科学教育の動画を見たり、関連の知識を学んだりしているという。
この仕事を始めて1年半になる上海の劉転さんは、平均して1日2-3人の患者に付き添う。サービスの対象は子どもから高齢者まで、ほぼ全ての年齢層をカバーしている。付き添う先の病院は上海市内のすべての三甲病院(最高ランクの病院)と一部の二甲病院(三甲に次ぐ病院)だ。
劉さんは、「通院付き添い師に対するニーズは非常に大きい。故郷を離れて生活のために奔走している若者は、仕事が忙しくストレスも大きく、家族に病人が出ても付き添える人がいない。そこで通院付き添い師が『臨時の家族』の役割を担うことになる」と話した。
高齢者と子どもだけでなく、若者の間でも通院付き添い師に対するニーズが高い。
劉さんは、「無痛胃カメラを受ける必要がある若者に対して、必ず誰かが付き添わなければならないという病院側の要求がある。多くの若者は一人で大都市で頑張っていて、地方にいる家族に心配を掛けたくないと考えている。そこで通院付き添い師の出番だ。私たちは彼らにとって『臨時の家族』のようなものだ」と説明した。
劉さんは依頼主の臨時の家族として、常々患者の状況を事前に把握し、家族の立場になって考えるようにしている。「家族として、患者の日常的なリハビリや食事などすべてに配慮する必要がある」と劉さん。
キャリア1年半の劉さんは、医師とやりとりする経験を重ね、付き添いのたびに医師の指示を記録するようにしている上、患者とその家族が思いつかないような問題について、医師に詳しくたずねることもあるという。
南開大学周恩来政府管理学院の王星教授は、「デジタル経済が複数の新しい職業の仕事を生み出し、雇用機会を持続的に生み出す力を高めている。政府、学校、社会機関の複数の方面が力を合わせて新たな雇用形態の労働者の職業技能訓練を推進するシステムを形成すると同時に、複数のルートを通じて社会が新職業を正確に理解するよう誘導し、新職業形態の労働者の職業的アイデンティティをさらに高める必要がある」と指摘した。(編集KS)
「人民網日本語版」2023年8月8日
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