「今から10年間、『60後(1960年代生まれ)』が続々とリタイア生活に突入する」といった定年退職者の規模に関する話題が、最近のネットでトレンド入りしている。現在、中国のリタイア組は一体どれくらいの規模なのだろうか。人民日報海外版が伝えた。
中国は急速な高齢化の第一期をすでに過ぎた
国家統計局が発表したこれまでの出生率と人口数に基づいて毎年の出生者数を計算し、この出生者数に基づいて大まかに試算すると、全国の60歳を迎える人は昨年は1200万を下回ったが、今年は2000万人を超え、来年は3000万人に迫る勢いだ。社会におけるリタイア組は明らかに増加しているとみられる。
南開大学経済学院の教授で中国人口学会の副会長を務める原新氏は、「国家統計局が発表したこれまでの出生率と総人口に基づいて試算すると、1949年に新中国が成立してから、出生者数が2000万人を超えた年が37回あり、出生数のピークを3回迎えていた」と述べた。
第1のピークは1950-1958年で、このうち6年は出生者数が2000万人を超えた。
第2のピークは1962-1975年で、毎年の出生者数が2000万人を超え、中でも1963年はピークに達して3000万人に迫った。
原氏は、「2022年から60年遡ると、ちょうど第2のピークが始まった1962年になる。これは最近の定年退職者数が大きな注目を集める主要因でもある」と述べた。
しかし、現在の中国で実施されている定年年齢は、男性の管理職と従業員が60歳、女性の管理職が55歳、女性の従業員が50歳で、退職者数を単純に60歳を標準にして考えることはできない。言い換えれば、1962年前後に生まれた女性のかなりの部分が、5年前かそれよりもっと早くにリタイアしたということだ。また同局のデータによると、2021年末の全国の人口は14億1260万人、そのうち都市部の常住人口は9億1425万人、農村部の人口は4億9835万人に上り、この5億人に迫る農村人口には厳格な定年制度やリタイアの概念がない。
実際にはこの約10年間に、中国はすでに急速な高齢化の第一期を過ぎている。第7回全国国勢調査のデータによれば、2020年の中国大陸部の60歳以上の高齢者人口は2億6400万に達して、総人口の18.7%を占めた。2010年の第6回全国国勢調査から2020年の第7回までの10年間で、60歳以上の高齢者人口はその前の10年間に比べて目に見えて増加した。
中国人民大学人口・発展研究センターの翟振武教授は、「これは主に1950年代の第1の出生数ピークで生まれた層が相次いで高齢期にさしかかったことと密接な関係がある。第14次五カ年計画期間には、1960年代の第2の出生数ピークで生まれた大規模な層が相次いで高齢期に入ることになる」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月26日