速報値の統計によると、14日時点で全国の少なくとも15省・自治区・直轄市が2021年の人口統計データを発表している。中国新聞網が伝えた。
人口1億人超の2省が人口増加傾向を維持
中国には常住人口が1億人を超える省が2ヶ所あり、それぞれ広東省と山東省だ。この2つの人口大省は21年も常住人口が増加を続けた。
このうち広東は21年末現在の省全体の常住人口が、前年末比60万人増の1億2684万人に達した。通年の自然増加数は57万1900人、自然増加率は4.52‰だった。
山東の21年末現在の常住人口は1億169万9900人、通年の自然増加率は0.02‰だった。
江蘇の常住人口自然増加率が初めてマイナスに
中国2位の経済大省としての江蘇省は、常住人口は増加を続けたが、自然増加率は初めてマイナスに転じた。
データによると、江蘇の21年末現在の省全体の常住人口が前年末比28万1千人増の8505万4千人に上った。しかし自然増加率はマイナス1.12‰となり、新中国成立以来、同省は初めて自然増加率がマイナスに転じた。
江蘇省統計局は分析により、常住人口の出生数が減少した主な要因として次の3点を挙げた。(1)出産適齢期の女性が大幅に減少した(2)女性の初婚年齢が上昇を続けた。女性の平均初婚年齢は2000年は23.22歳、10年は23.76歳となり、20年は29.66歳だった(3)女性の教育レベルが大幅に向上した。データによると、高等教育を受けた女性は1人の子どもを産み育てるという人が多く、70%に迫った。女性の教育レベルの向上にともなって、子どもを少なく産む、または産まないという女性が増えた。
出生数が80万人を下回る河南省 複数の省(区・市)で常住人口が減少
河南省は中国3位の人口大省で、21年末現在の省全体の常住人口は9883万人だった。20年と比べると58万人減少した。また出生数が初めて80万人を下回った。
河南だけでなく、北京市、河北省、内蒙古(内モンゴル)自治区、甘粛省、江西省など複数の(区・市)も人口が減少した。
人材獲得に成功した浙江省
浙江省は共同富裕のモデルエリアであり、人口を誘致する力がますます強まった。データを見ると、21年末現在の省全体の常住人口は6540万人で、20年末の常住人口6468万人から72万人増加した。
浙江の人口増加数72万は広東省の60万人を上回った。浙江の21年の出生数は44万9千人、死亡数は38万4千人で、自然増加数は6万5千人に過ぎない。ここから浙江の人口増加では流入人口が中心を占めることがわかる。
ここ数年、浙江は人材獲得のために努力してきた。杭州市街地を除く省全体で、短大・高専以上の学歴としてきた定住にあたっての制限を撤廃し、杭州市街地の定住の条件も四年制大学卒業以上に緩和した。大卒者が浙江に来て働く場合は、2万元(1元は約18.5円)から40万元の生活支援金や住宅購入・賃貸補助金を支給する。起業しようとする大学生には10万-50万元の融資を行い、事業に失敗しても10万元以下の融資の返済は政府が肩代わりし、10万元以上の融資は10万元を超えた部分の80%を政府が肩代わりするなどしてきた。
浙江省のこうした人材獲得の取り組みは成功したことがわかる。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年3月16日