米国政府はロシアが近くウクライナに「侵入」するとの宣伝を連日繰り返している。ロシア側がウクライナへの武力行使の意図はないと繰り返し強調し、米国と始めとする西側に対しその安全保障上の懸念を真剣に受け止めるよう望む中でもなお、米政府は「侵略はいつでも起こり得る」と言い張っている。戦争の危機を誇張・宣伝し、意図的に緊張をつくり出す米側のこうした行為は、不信と分断を激化させ、ウクライナ危機及びこれに関係する問題の適切な解決を妨げるだけだ。新華社が伝えた。
米側は以前、ロシアは2月16日にもウクライナへの攻撃を始める恐れがあると確かな口ぶりで述べていたが、事実はそうならず、この予測は完全に外れた。米指導者は18日にも、プーチン大統領は開戦を「すでに決定」しており、進攻は「数日内」にも始まる恐れがあると「確信」していると公言した。これに対し、プーチン大統領は15日、ドイツのショルツ首相との会談後に、ロシア側に戦争をする意図は全くないと応じた。ロシア国防省は15日、ロシア軍部隊が演習を終えてウクライナとの国境地帯から撤退し、基地へ戻る映像も公開した。フランスのルドリアン外相も先日、ロシア側が軍事的行動をすぐにとる徴候はなく、緊張の緩和が喫緊の課題だと公に述べた。
米側は故意に緊張を高め、ユーラシア大陸の国家間の衝突と対立を誇張して、無責任で利己的な本性を露呈している。米国本土はロシアと国境を接しておらず、経済的にもロシアへの依存度は低い。ウクライナ情勢の緊張によって直接的な圧力を被るのはウクライナ、ロシア、そして欧州だ。今や米側は戦争の脅威を騒ぎ立て続け、ウクライナの経済・社会的安定と人々の生活に深刻な打撃を与え、各国による対話と交渉の推進への障害も増やしている。
ウクライナ問題の政治的解決においては、戦争の危機の誇張・宣伝をカードとすることがあってはならず、制裁の圧力によって脅すことがあってはならず、ましてやブロック対立の煽動を手段とすることがあってはならない。現在の情勢の下、関係各国は理性を保ち、政治的解決という大きな方向性を堅持するべきであり、情勢の緊張を刺激し、危機を誇張・宣伝するいかなる事もすべきではない。各国は互いの理にかなった安全保障上の懸念への十分な考慮と相互尊重を基礎に、対等な協議を通じて溝を適切に解消するべきだ。
ウクライナ問題の解決においては、やはりミンスク2という原点に立ち返るべきだ。ミンスク2はウクライナ問題解決のための、各国が広く認めた、拘束力ある基礎的な政治文書であり、安保理第2202号決議によって承認されており、関係各国が全面的かつ実効性をもって履行すべきものだ。関係各国は建設的姿勢を示し、ミンスク2の履行において生じた溝を対話と協議を通じて解消し、ロードマップとタイムテーブルを定め、協定の速やかで確実な履行を推進して、ウクライナ危機の政治的解決のための条件を整えるべきだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2022年2月21日