中国の崔天凱駐米大使は現地時間3日、要請に応じて中米研究センターの2020年度総会に参加し、開会のスピーチを行った。崔大使は、「健全で安定した中米関係なしに、『ポストコロナの世界』の安定はなく、グローバル・ガバナンスの実効性もない。したがって、今はこの極めて重要な二国間関係について真剣に考えるべき時だ」と表明した。
オンラインシンポジウムのスクリーンショット
崔大使は、「2020年が終わろうとしている。この極めて尋常ならざる1年は、一つの歴史的転換点となるだろう。新型コロナウイルス感染症によって、すでに世界に生じていたいくつかの基本的すう勢が強まり、加速しつつある。感染症によっていくつかの重大な試練もさらに際立つようになった。我々は一致団結し、共同で対処して初めて、より素晴らしい世界を創造することができる」と指摘。
さらに、「すでに人々は『ポストコロナの世界』がどのようなものになるのか、そしてそのため我々にはどのようなグローバル・ガバナンスが必要なのかを議論している」と述べた。また崔大使は、「キッシンジャー博士の初訪中から50年近く、中米関係の発展は両国と世界に多大な利益をもたらしてきた。我々は未来に対して共通のビジョンを描き、正しい選択をしなければならない。中米関係の建設的軌道に沿った、共に定めた目標に向けた発展を確保する。これは両国民及び国際社会に対する我々の責任だ」と述べた。
崔大使は、「中国にとって、選択は明確だ。中米は和すれば共に利し、争えば共に傷つく。両国唯一の正しい選択は協力だ。我々は近く21世紀の第3の10年間に入る。二国間及びグローバルな協力の実施がかつてないほど必要とされている。これには公衆衛生上の安全の強化、気候変動対策、より包摂的で公平なグローバル化の推進、科学技術の進歩促進によるさらに多くの地域や人々の生活改善などが含まれる。こうした全ての試練に対処するため、我々は国際協力を拡大する必要がある。特に中米は相互『デカップリング』ではなく、手を携えて協力するべきだ」と強調した。
崔大使は、「歴史の正しい側に立つための第一歩は、時代後れの思考を捨て去ることだ。落とし穴に落ちるのを避けるための最良の方法は、新たな道を切り開くことだ」と指摘。さらに、「中米両国間にはかねてから相違がある。その多くは世界の多様性の一部だ。だがいかなる相違も対立や戦争の理由にはならない。冷戦であれ武力戦争であれだ。互いに尊重し理解し合えさえすれば、我々は意見の相違をうまく管理・コントロールして、中米関係を正しい軌道に保つことができる。ゼロサムゲームはすでに時代後れだ。異なる国家間や文明間の疑念や懸念、さらには憎悪を煽り立てる企ては極めて無責任だ。大国間の対立に熱中している人々は、すでに足が落とし穴に入っているようなものだ。我々は現在の世界の新しい現実をはっきりと認識し、手を携えて新型の国際関係と人類共同体を構築するべきだ」と述べた。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年12月4日