北京市民が学ぶ外国語、選択肢が豊富に　英語一辺倒から脱却

　「フランスから来ました。フランス語教えます！」「ドイツ人です。ドイツ語は学びやすい言葉です！」「ロシア出身です。ロシア語は身近な言葉ですよ！」--。先週末、英国・ドイツ・フランス・スペイン・韓国・日本・イタリア・ロシア8カ国からやって来た美男美女が北京の朝陽公園に集まり、外国語の集い「北京外国語遊園会」に参加した北京市民に向けて、それぞれ「自国語」のアピールに精を出していた。北京は今後、各種言語を操る人材の育成に務め、英語以外の外国語に堪能な人材が不足しているという難局から抜け出す計画だ。北京日報が報じた。

　市民の外国語学習熱・利用熱は、ここ数年高まる一方で、白髪交じりの高齢者から就学前の幼児に至るまで、市民のための外国語学習イベントに積極的に参加している。北京が試みる外国語環境作りは、すでに実り多い成果を得ている。

　北京市民講外語活動組織委員会や市政府外事弁公室など政府関連部門は、「北京外国語遊園会」「市民外国語学習シリーズ公益講座」「外国語放送の業界・コミュニティ内普及活動」などのイベント開催を続けている。全市で外国語を使う人口は年々増加しており、サービス業従事者の外国語によるサービスレベルは飛躍的に高まり、重点公共スペースにおける英語標示は、ほぼ規範をクリアしている。また、このような気運に乗じ、北京多言語サービスセンターも誕生した。同センターは、110番・120番・12345番などの公共ホットラインと提携し、北京に住む外国人を対象に、365日24時間、8種類の言語による電話通訳サービスを行っている。

　専門家は、「外国語と聞けば、市民の大多数はまず英語を思い浮かべる。このような反応は、中国の教育と関係している。『外国語＝英語』という市民の印象と受験システムによって、誰もがこぞって英語を勉強している。北京五輪の開催前、人々は、外国語の種類が乏しいという状況によって、様々な言語を操れる市民を増やす重要性に気づいた」と指摘した。また、言語専門家は、「今後、英語が堪能である上、他の外国語に精通していることが、通訳スタッフに求められる『基礎条件』となるだろう。さまざまな言語を把握しているかどうかが、今後、外国語人材の核心競争力となる」との見方を示した。

　イベント主催者は、「今年の外国語遊園会は、『多言語』が最大の特徴となっている。イベント会場では、優秀な外国語教師を招き、参加者からのさまざまな質問に答えた。また、英語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、韓国語、日本語、イタリア語、ロシア語など各種言語を参加者に指導し、外国語の歌を教え、民族色豊かなゲーム遊びをして、外国文化を紹介し、賞品付きのクイズ大会を行った」と述べた。また、多言語外国語コーナーは、英・独・仏・スペイン・ロシア・アラビア・日本・韓国など各種言語の学習者のための交流の場となっている。国内外家庭の多国語展示活動では、北京に常住している5世帯の外国人家庭と1世帯の中国人家庭を招待し、各家庭の代表者が北京市民外国語学習イベントのロゴマークを取りまとめ、活動テーマである「多彩な言語、美しい北京」を顕示した。

　関係者は、「世界の都市建設プロセスにおいて、北京市には、都市における国際言語環境に関し、高級外国語人材、一般市民の外国語能力、サービス業における外国語によるコミュニケーション能力、公共施設における対外サービス機能などの面で、さまざまな需要がある。しかし、これらの需要は、満足というレベルには程遠い。都市の多言語サービスネットワークはまだ完備されておらず、レベルアップも求められている。北京は今後も継続して学校教育と社会教育に重点を置き、外国語を話す市民の数・質の向上を目指し、外国語サービスの全面的なレベルアップを図る方針だ」と述べた。（編集KM）

　「人民網日本語版」2013年10月22日